本の覚書

本と語学のはなし

2010-01-01から1年間の記事一覧

振り返る2010年

引きこもり生活を続けたため、コミュニケーション能力が著しく劣化する。運動もしないので少し太ったし、すぐに息が切れる。 翻訳通信講座を修了。トライアルに合格し在宅翻訳者として翻訳会社に登録するが、仕事のオファーは一度もなし。いったん翻訳は諦め…

枕草子「むとす→むず」

何事を言ひても、「その事させんとす」「言はんとす」「何とせんとす」と言ふ「と」文字を失ひて、ただ「言はんずる」「里へ出でんずる」など言へば、やがていとわろし。(186 ふと心おとりとかするものは) 「む」の強調表現としての「むとす」が「むず」に…

T塾の試験・面接

午後からT塾に行ってきた。先ずは試験。国語は高校入試レベルというがやや難しく、長めの作文問題まであった。しかし、ほぼ満点だろうと思う。英語は予想通りセンター試験からの抜粋。昨日過去問を1回分やったが、盲点の発音やアクセントを除けば満点だった…

購入

★『2011―駿台大学入試シリーズ 大学入試センター試験過去問題集 英語』(駿台文庫) ★『原文対照現代語訳・道元禅師全集17 法語・歌頌等』(春秋社) 明日の中学国語の試験は、公立高校入試レベルの問題が出題されるだろうと思う。過去問を1回分やっておいた…

あれやこれや

25日の夜は病院時代の友人と、年に1回あるかないかの麻雀大会。私はこの機会にしか打たないので、ルールを思い出しながら初めの内は手探りで。午前3時頃、家路につく。消雪パイプがフル稼働しているため道路に雪は積もっていないが、その代り水害の時のよう…

不採用通知と応募

G校は案の定不採用だった。残念というより、ほっとしている。3か月で終わりで、後がない。他のところで役立つ技量が身に付くわけでもない。 年賀状を書いて投函。5枚しか出さないのに、心がこもっていないような。このところいつもそうだけど。 散髪。近場に…

履歴書と掃除と日経停止

K会の求人票が消えていた。もう決まったらしい。どのみちこの仕事では生活できそうになかった。 T塾用の履歴書を作成する。N校、Y塾、G校と回を重ねるごとに、完成度も高くなってきた。後は履歴自体を少しいじってしまえば完璧なのだけど。G校から連絡があり…

面接

G校の面接に行ってきた。大きな失敗をしたわけではないけど、駄目じゃないかな。3か月の短期アルバイトなのに、過去について根掘り葉掘り聞かれた。不信感がにじみ出ている。 面接を受けたのは私を含めて3人。私は2番目だったが、1番目の人とは控室でしばら…

購入

★秋山・三好編著『原色シグマ新日本文学史』(文英堂) 今日買ったもの。明日の面接に着ていくYシャツ、電子辞書用単4電池、文学史、部屋が寒くて手が凍えるので指先に穴の開いた手袋、ポイントを使ってインクカートリッジ。 文学史は簡単なのを1冊持ってい…

枕草子「女房たちの暴走」

左衛門の陣まで行きて、倒れさわぎたるもあめりしを、「かくはせぬ事なり。上達部のつきたまふ椅子などに、女房どものぼり、上官などのゐる床子どもを、みなうち倒しそこなひたり」など、くすしがる者どもあれど、聞きも入れず。(155 故殿の御服のころ) 左…

連絡

G校は一昨日が応募期限で、今日電話連絡があった。21日に面接を受ける。パソコンの基本操作の他には何の技量も資格も必要ないので、私にもチャンスはある代わりに、とりわけてアピールするポイントもない。強いて言えば、官僚的組織で働くのは慣れているとい…

『ハンドブック 地理の要点整理』

●『ハンドブック 地理の要点整理』(Gakken) 高校地理の参考書に目を通すのは初めてなので(社会科の中で地理だけはどうしても好きになれない)どう評価していいか分からないが、もう少し地図があってもいいんじゃないかと思う。一般に地理的知識と思われて…

枕草子「清少納言の里居」

殿などのおはしまさで後、世の中に事出で来、さわがしうなりて、宮もまゐらせたまはず、小二条殿といふ所におはしますに、何ともなくうたてありしかば、久しう里にゐたり。御前わたりのおぼつかなきにこそ、なほえ絶えてあるまじかりける。(137 殿などのお…

居酒屋「うさぎの話2」

Voulez-vous parier ! le mois prochain, ils inventeront une autre histoire... Ça explique pourquoi ils bouchent leur fenêtre, quand ils mangent un lapin. N’est-ce pas ? on serait en droit de leur dire : " Puisque vous mangez un lapin, vous …

枕草子

世になき事ならねど、この草子を人の見るべきものと思はざりしかば、あやしき事も、にくき事も、ただ思ふ事を書かむと思ひしなり。(135 とりどころなきもの) 世間にないことではないのだが、この草子を人が見るはずのものとも思わなかったので、変なことも…

眺めのいい部屋

...thinking of the kind old man who had enabled her to see the lights dancing in the Arno, and the cypresses of San Miniato, and the foothills of the Apennines, black against the rising moon. (p.12) ルーシーは部屋を提供してくれた親切な老人…

居酒屋

La grande Clémence proposa du lapin ; mais on ne mangeait que de ça ; tout le monde en avait par-dessus la tête. Gervaise rêvait quelque chose de plus distingué. Mme Putois ayant parlé d’une blanquette de veau, elles se regardèrent toutes …

眺めのいい部屋

フォースターの『眺めのいい部屋』を始める。原文はペンギン・クラシックス。翻訳はちくま文庫の西崎憲・中島朋子訳。例によって冒頭部分を書き抜いておく。 ‘The Signora had no business to do it,’ said Miss Bartlett, ‘no business at all. She promise…

応募

Y塾からいまだに連絡が来ないので、G校の事務員に応募した。フルタイムだが1月から3月までの期間限定で、更新なし。学歴も資格も経験も必要ない。3年近く働いていないので、リハビリにちょうどいいかもしれない。 Y塾の情報。私より先に応募した若い女性の採…

『The Invention of Solitude』

●Paul Auster 『The Invention of Solitude』(Penguin Books) 父の死をきっかけに書き始められた『孤独の発明』。はっきりした形を持つことなく、絞り出すように書かれた断片的な文章たち。詩人から散文作家への過渡期にあったからというだけでなく、ただ…

万葉集1

東ひむがしの野に炎かぎろひの立つ見えてかへり見すれば月傾かたぶきぬ*1(1.48) 東方の野の果てに曙光がさしそめる。ふりかえると西の空に低く下弦の月が見える。 柿本人麿の有名な歌で、たぶん教科書にも載っている。これだけでも十分すごいのだけど、アン…

『モーム短篇選(下)』

●『モーム短篇選(下)』(行方昭夫編訳、岩波文庫) 上巻*1だけで十分だった。2分冊で大量に読む価値があるかどうか。一番面白く読んだのは「サナトリウム」であるけど、それもマンの「魔の山」*2を思い出すからという理由である。 いくつか誤植がある。「…

枕草子

なれど、歌よむと言はれし末々は、すこし人よりまさりて、「そのをりの歌は、これこそありけれ。さは言へど、それが子なれば」など言はればこそ、かひある心地もしはべらめ。つゆとりわきたる方もなくて、さすがに歌がましう、われはと思へるさまに、最初に…

『王朝貴族物語』

●山口博『王朝貴族物語 古代エリートの日常生活』(講談社現代新書) 貴族の生活入門。学習参考書で得られる古文常識の知識だけでも『枕草子』等の王朝文学に挑戦することはできるが、もう一歩進めてこういうものを読んでおけば一段と楽しみが増す。それに、…

購入

★秋山・小町谷編、須貝作図『源氏物語図典』(小学館) 最近はネット書店で買い物をすることがめっきり減ったのだけど、実際に手に取ってみた源氏の事典などはどれも物足りなかったので、中身を確かめることはできなかったけど、図版がたくさん収載されてい…

『ハンドブック 政経の要点整理』

●『ハンドブック 政経の要点整理』(Gakken) 今年の7月に出版されたばかりだから情報が新しい。あくまで要点整理であることを心得ておけば、とてもいい本ではないかと思う。 引き続き『ハンドブック 地理の要点整理』に取り掛かる。政経、世界史、日本史は…

購入&商業登記簿

★山口博『王朝貴族物語 古代エリートの日常生活』(講談社現代新書) 高校生向けに文法中心に解説した万葉集抄を見たら、「うまし国」について、形容詞の活用がまだ発達していなかった時代の名残というようなことが書いてあった。小学館の訳注付き古典全集も…

枕草子

「所につけては、かかる事をなむ見るべき」とて、稲といふものを取り出でて、若き下衆どもの、きたなげならぬ、そのわたりの家のむすめなどひきもて来て、五、六人してこかせ、また見も知らぬくるべく物、二人して引かせて、歌うたはせなどするを、めづらし…

『モーム短篇選(上)』

●『モーム短篇選(上)』(行方昭夫編訳、岩波文庫) モームの短篇はモーパッサンの系譜に属する緊密な物語で構成されており、読み始めればあっという間に最後までたどり着く。しかし、1週間もすればきれいに全部忘れてしまいそうな気もする。 タヒチを舞台…

万葉集

講談社文庫の『万葉集 全訳注原文付(一)』を読み始めた。原文は白文と読み下しが併記され、注釈と現代語訳もついており、事典が別冊で編まれているという、至れり尽くせりの文庫である(本編4冊、事典1冊)。 気の向いたときに少しずつ読み進めようと思う…