本の覚書

本と語学のはなし

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

免許更新

免許更新に行ってきた。今回から、8トンまでという限定つきで中型免許になった。 講習が始まるまでと帰りのバスを待つ間、サリンジャーの『フラニーとゾーイー』を読んでいた。フルタイムのアルバイトを始めたら、昼休みには文庫本でも読んで、家に帰ったら…

「居酒屋」英国式小便

Ce qui semblait certain, c’était qu’un après-midi, sur la place de la Bastille, elle avait demandé à son vieux trois sous pour un petit besoin, et que le vieux l’attendait encore. Dans les meilleures compagnies, on appelle ça pisser à l’an…

「新約聖書」1994年の日記より

「さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。お前たちは、私が飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、裸のときに着せ、病気のときに見舞い…

「正法眼蔵」足の裏

常者未転なり。未転といふは、たとひ能断と変ずとも、たとひ所断と化すれども、かならずしも去来の蹤跡にかかはれず、ゆゑに常なり。 しかあれば、草木叢林の無常なる、すなはち仏性なり。(3「仏性」) だいぶ前から左足の裏、中指の付け根から1センチほど…

「エセー」調子に乗る

われわれはけっして自分のもとにいないで、常に自分の向こうにいる。(1.3「われわれの感情はわれわれを超えてゆくこと」) 私は民主制がもっとも自然でもっとも公正だと思うにもかかわらず…(同上) 涼しくなってきたせいか、活動が一時的に拡張している。…

近況

過去の本の覚書を終えたので、その間のことを簡単にメモ。 塾の夏期講習は、高校1年の部を無事終えた後、高校2年の部に突入。大半の2年生が〈too 〜to 〜〉の構文すら知らないことに改めてショックを受ける。 授業のやり方を根本的に変えるべきだろう。文法…

大学卒業以降の本の覚書(3)

市役所を退職してからは、しばらく経済や金融の本を読み続けた。文学に完全移行したのは、昨年4月に池澤夏樹の『世界文学をよみほどく』*1を読んで以降である。真の出会いはむしろこれからやってくるのかもしれない。 ■メルヴィル『白鯨』 学生時代に映画を…

大学卒業以降の本の覚書(2)

市役所の職員になってからは、文学よりも思想を中心に読む。大半は新書や入門書なので、いろんな知識は身についたが、強烈な印象を残す本との出会いはあまりない。現代日本文学を集中的に読んだ時期もあるけど、書き残すほどのことはない。 ■懐奘『正法眼蔵…

大学卒業以降の本の覚書(1)

実家に戻って2年間、病院の事務員をした。本を読む気がまったく起こらなかった。だから辞めた。たまたま市職員の募集に条件が合うことを知り、準備を進める。ようやく読書に回帰する。 ■ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 食事と睡眠の時以外はずっと…

大学時代の本の覚書(3)

■秋月龍萊『一日一禅』 禅の最良の入門書だと思う。有名な公案はほぼ網羅。道元を読むときにも役立つ。何度読み返したか分からない。一日一禅 上 (講談社現代新書 473)作者:秋月 龍岷メディア: 新書一日一禅 下 講談社現代新書 474作者:秋月 龍岷メディア: …

大学時代の本の覚書(2)

■ハイデガー『存在と時間』 世界とは何らかの地平から照射された意味の連関であるというようなことを、おぼろげながら理解する。恐らく私にとって哲学はその程度で十分なのだ。存在と時間〈1〉 (中公クラシックス)作者:ハイデガー発売日: 2003/04/01メディア…

大学時代の本の覚書(1)

大学に入ると、初めの頃こそゲーテやドイツ・ロマン主義を読んだりしたが、次第に語学の勉強が中心になっていく。 ■ゲーテ『ヘルマンとドロテーア』『若きウェルテルの悩み』 『ヘルマンとドロテーア』と『若きウェルテルの悩み』を原文で読み、言葉を愛する…

高校時代の本の覚書(3)

英語以外の言語を学び始めたのは2年生の後半から。最初はドイツ語だが、カセットとセットになっているという理由だけで購入したテキストに思い入れはないし、数年前の大がかりな本の整理の際に捨てたらしくて正確なタイトルも分からないので、紹介はできない…

高校時代の本の覚書(2)

■吉田兼好『徒然草』 好ましからざる面も含めて、私の感性を決定づけた本。多くの文章を、ため息をつきながら日記に書写していた。高校時代のナンバーワン。隠遁することを若い頃から理想としてしまったために、そのようにしては生きていけないにも拘らず、…

高校時代の本の覚書(1)

高校に入ると次第に関心は哲学に向いて行き、小説はあまり読まなくなる。後半からは語学にも熱中する。 ■宮澤賢治『銀河鉄道の夜』 1年生の時、文学部に所属していて短篇小説も書いた。部の冊子に載せた小品は賢治の世界を借りて賢治自身を描いたつもりであ…

中学時代の本の覚書(2)

■チェーホフ『桜の園・三人姉妹』『かもめ・ワーニャ伯父さん』 すごく好きだった割にその後全く読み返していないので、ただチェーホフの戯曲に夢中になったという記憶だけが残っている。しかし、どんな作品か覚えてはいないけれど、中学生の私が好きになる…

中学時代の本の覚書(1)

中学時代は一番小説にのめり込んでいた時期。意外と日本文学も読んでいた。 ■安部公房『壁』 安部公房が好きで、中でも最初に読んだ『壁』の印象は強烈だった。中学時代のナンバーワン。再読しない方がよかった。壁 (新潮文庫)作者:公房, 安部発売日: 1969/0…

『野性の呼び声』

●ロンドン『野性の呼び声』(深町眞理子訳、光文社古典新訳文庫) 動物ものとだけ知っていたので、感傷的な文章を想像していた。全然そんなことはなかった。どうリライトしたら子供向けに仕上げることができるのだろうかと不思議になるくらいだ。 バックとい…

幼稚園・小学時代の本の覚書

私家版十大小説のようなリストを作ろうと思ったのだけど、うまく行きそうにないので、各時代ごとに思い出に残る本を小説に限定せず書き出してみることにした。 なるべくコメントは短くするつもり。全部終えるには時間がかかるかもしれない。後から「あっ、あ…