本の覚書

本と語学のはなし

2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

【ラテン語】自分でも分からないほど【幸福な生】

Moral Essays, Volume II: De Consolatione ad Marciam. De Vita Beata. De Otio. De Tranquillitate Animi. De Brevitate Vitae. De Consolatione ad Polybium. De Consolatione ad Helviam (Loeb Classical Library)作者:SenecaHarvard University PressAm…

【振り返り】2023年

【仕事】 ▼2月に10年勤めた夜勤の仕事を辞める。 ▼3月から新しい仕事を始めたが、これまで経験した中でも最低の職場であった。早くも5月に辞めてしまった。 ▼再就職しないまま年を越す。失業保険は全額支給される見込みである。 【読書・語学】 ▼失業とひき…

【振り返り】2023年12月

【読書・語学】 ▼ワードとエクセルのマニュアルを読む。これで実用書シリーズはおしまい。 ▼一旦休止した後、月末になって物理の参考書を再開。数学と物理をどうするかは、また検討が必要。 ▼モンテーニュ、プルタルコス、セネカの原典講読は順調。もう少し…

パソコン仕事が10倍速くなる80の方法/田中拓也

たった1秒の最強スキル パソコン仕事が10倍速くなる80の方法作者:田中 拓也SBクリエイティブAmazon これが今年最後の読了本となるであろう。最後としてはちょっと味気ないが、家事やパソコン関連の本を多く読んできた今年の一面を象徴しているようでもある。…

Newton 2024年2月号【科学の名著】

Newton(ニュートン) 2024年2月号 [雑誌]ニュートンプレスAmazon 第1特集では、科学の名著を62冊紹介する。必ずしも科学史を動かした歴史的名著のことではなく(そういうものも含まれるが)、科学への入門として格好の読み物が多く選出されているようだ。 私…

時代と流れで覚える! 世界史B用語/相田知史・小林勇祐

時代と流れで覚える! 世界史B用語作者:相田 知史,小林 勇祐文英堂Amazon 失業してからの日課。朝一番にパソコンを開き、英仏のニュースを漫然と聞き流す。だが、パソコンはそう直ぐには起動してくれない。準備ができるまで歴史の参考書を読む。 見開き1項目…

今すぐ使えるかんたん Excel 完全ガイドブック 困った解決&便利技/AYURA

今すぐ使えるかんたん Excel完全ガイドブック 困った解決&便利技 [Office 2021/2019/2016/Microsoft 365対応版]作者:AYURA技術評論社Amazon もうずっと仕事でパソコンを使うことはなかった。現在、エクセルは自分のお金を管理するのに用いるくらいである…

フランス語史/山田秀男

フランス語史作者:山田 秀男駿河台出版社Amazon フランス語史の概説的な簡単な入門書。各時代の細部に至るまで詳説してくれるものではない。 古い時代のフランス語も、日本の古典よりは読みやすいのかもしれない。モンテーニュが登場する16世紀ともなれば、…

【フランス語】まるで手が穢れているかのように【エセー1.30/29】

モンテーニュ『エセー』第1巻第30章(第29章)「節度について」を読了する。 徳にも節度が必要なのだというところから説き起こし、夫婦間の快楽には節度が必要であるとか、人間の英知は快楽を減らすために一生懸命になっている、「もしもわたしが、なにかの…

ラケス 勇気について/プラトン

ラケス (講談社学術文庫)作者:プラトン講談社Amazon プラトンの初期対話篇。 ラケスは『饗宴』にも名前が出てくる軍人である。そこではアルキビアデスの証言として、デーリオンの敗戦において、ラケスとソクラテスが勇敢に退却していたことが語られる。同じ…

饗宴/プラトン

饗宴 (岩波文庫)作者:プラトン岩波書店Amazon 悲劇作家アガトンの祝勝会で、参加者の銘々が(喜劇作家のアリストパネスやその名を冠した対話編もあるパイドロスなど)エロス讃歌を披露する運びになった。 エロスはギリシア神話の中で立派に神格を認められて…

【ギリシア語】クセノポンがなおざりではない仕方で【敵から利益】

Moralia, Volume II: How to Profit by One's Enemies. On Having Many Friends. Chance. Virtue and Vice. Letter of Condolence to Apollonius. Advice About Keeping Well. Advice to Bride and Groom. The Dinner of the Seven Wise Men. Superstition (…

【ギリシア語】近づいた物体の表面からの発散物を捉えて【多くの友】

プルタルコス『多くの友をもつことについて』を読了する。 リデル&スコットの中型辞典では間に合わないことが多い。しかも机から落としてしまって、前から少し怪しかったのだが、いよいよ壊れそうな気配が濃くなってきた。そこで、思い切ってバイイの希仏辞…

【フランス語】わたくしのものは何も差し上げません【エセー1.29/28】

モンテーニュ『エセー』第1巻第29章(第28章)「エチエンヌ・ド・ラ・ボエシーによる二九篇のソネット」を読了する。 Essais, Les作者:Montaigne, Michel DeImprint unknownAmazonエセー〈2〉作者:ミシェル・ド モンテーニュ白水社Amazon Madame, je ne vous…

【フランス語】暗くてやりきれない夜でしかない【エセー1.28/27】

モンテーニュ『エセー』第1巻第28章(第27章)「友情について」を読了する。 本来この章は、親友ラ・ボエシの『自発的隷従論』という論考を挿入するための前書きとなるはずであった。しかし、これが新教徒によって既に引用され、あるいは全文を掲載され、王…

ギリシア神話(下)/呉茂一

ギリシア神話 下 (新潮文庫 く 6-2)作者:茂一, 呉新潮社Amazon 下巻は英雄たちの物語。 テセウスやヘラクレスの功業、オイディプスの悲劇が起きたテバイの因縁などを語った後で、まとまった叙事詩として残されているアルゴ船の遠征(『アルゴナウティカ』)…

モンテーニュ全集9 モンテーニュ書簡集/モンテーニュ

モンテーニュ全集 (9) モンテーニュ書簡集作者:モンテーニュ白水社Amazon 関根秀雄訳のモンテーニュ全集を立て続けに2回通読した。 関根訳は書誌的な注釈はあまりないけれど、ところどころに挿入される解説的な注釈がとてもありがたい。全集は絶版になってい…

ギリシア神話(上)/呉茂一

ギリシア神話(上) (新潮文庫)作者:茂一, 呉新潮社Amazon ギリシアやローマの文章を読むときには、それが哲学的なものであっても、神話を頭に入れておいた方がよい。 哲学者たちは不敬な物語を真実として認めはしないにしても、何かと言及することはある。あ…

【フランス語】確実な知識によって承知しているのだ【エセー1.27/26】

モンテーニュ『エセー』第1巻第27章(第26章)「真偽の判断を、われわれの能力に委ねるのは愚かである」を読了する。 モンテーニュもかつてはありそうにもない話を聞けば、偽りと決めつけて馬鹿にしていた。だが、それは思い上がりというものではないだろう…

今すぐ使えるかんたん Word 完全ガイドブック 困った解決&便利技/AYURA

今すぐ使えるかんたん Word完全ガイドブック 困った解決&便利技 [Office 2021/2019/2016/Microsoft 365対応版]作者:AYURA技術評論社Amazon ワードを使うのはブログ記事の下書きをするときに限られる。ほとんどテキストを入力するだけだ。もう長いことこん…

【フランス語】非常な高給で雇ったこのドイツ人が【エセー1.26/25】

モンテーニュ『エセー』第1巻第26章(第25章)「子供たちの教育について」を読み終える。 割と長い章なので(翻訳で60ページ弱)、いろいろな話題があり、脱線もする。中にはなぜここに入れられたのか分からない、1588年以降の書き込みもある。どうやら大分…

【ギリシア語】友人の影をもつだけで【多くの友】

今日からギリシア語原典講読は、プルタルコスの『多くの友をもつことについて』を始める。 多くの友をもつことがよいことだと言うのではない。数がものを言うのではない。真の友情が大切なのである。そして、真の友情のためには、多くの友をもつことが支障と…

【ギリシア語】知恵を持たない者には不幸に陥る契機【運について】

プルタルコスの『運について』を読了する。 この作品で扱われている運というのは、運命というよりももう少し軽く、偶然に近い。それは思慮によって、理性によって、制御し、乗り越えるべきものである。 相変わらず単語で苦労する。だが、プルタルコスの語彙…