本の覚書

本と語学のはなし

2015-01-01から1年間の記事一覧

2015年12月31日【振り返り】

▼短歌の目や短編小説の集いに参加して、創作に挑戦した。深入りしそうになったけど、とうてい私の柄ではなかった。▼読書はとうとうキリスト教一色になりつつある。聖書は岩波訳と新共同訳を合わせたら、ほぼ全体を読んだのではないだろうか。ヨセフスは一年…

2015年12月【振り返り】

▼短歌の目が最終回を迎えた。私の短歌作りもたぶんこれでおしまい。 ▼『徒然草』を終えた。古文もたぶんこれでおしまい。 ▼いよいよキリスト教一色である。唯一の例外はフランス語によるフランス文学だけであるけど、フランス文学がまったくキリスト教と無縁…

新約聖書の本文研究/B. M. メツガー

新約聖書の本文研究 (1973年)作者:ブルース・M.メツガーメディア: - 元は緒方さんが所有していた『新約聖書の本文研究』を読了。たぶん神学校か神学部の授業で使ったのだろう。先生が言ったことをメモした感じの書き込みがいくつかあった。 なぜこの本を売…

トルコギリシア【購入】

トルコ・ギリシア パウロの旅作者:牛山 剛メディア: 単行本 派遣先の忘年会で三年半振りにアルコールを飲んできた。この前飲んだのは、アルバイト先の学習塾の暑気払いだったはずである。その割に、ビール、ワイン、日本酒とけっこう飲んだ。普段アルコール…

ギリシャバチカン【購入】

ギリシャ正教 (講談社学術文庫)作者:高橋 保行発売日: 1980/07/08メディア: 文庫 盲点はたくさんあるが、ギリシャ正教もその一つ。漠然とした知識しかない。ニコライ堂の中に入ったことは一度ある。 第2バチカン公会議 公文書全集発売日: 1986/01/06メディア…

緒論概論【購入】

新約聖書緒論―緒論の諸問題への手引 (1984年)作者:W.マルクスセンメディア: - 元は堤さん所有の新約聖書緒論。幸い、私は線が引いてあったり書き込みしてあったりする本に何の抵抗もない。むしろ、きちんと勉強している人のそれであれば、参考になって面白…

新約聖書Ⅳ パウロ書簡/新約聖書翻訳委員会訳

新約聖書〈4〉パウロ書簡作者:新訳聖書翻訳委員会発売日: 1996/08/20メディア: 単行本 パウロ書簡である。しかし、新約聖書にパウロの名が付けられた書簡は13通あるが、ここに収録されているのは7通のみ。つまり残り6通は偽名書簡であると今では考えられてい…

カト史料なぜ【購入】

今月は少し余計に本を買った。大概安い古本だから、冊数から得られる印象ほどに散財はしていないが、積ん読は減らしていきたいので、やはり買いすぎだ。 今日は三冊届いた。 カトリック神学への招き発売日: 2009/05/01メディア: 単行本 上智大学の教授たちが…

新版 徒然草 現代語訳付き/小川剛生訳注

新版 徒然草 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)作者:兼好法師発売日: 2015/03/25メディア: 文庫 十代後半の頃には抜き書きをしながら読んでいた本なので、細部に至るまでけっこうよく憶えている。私の価値観の根本的なところは、この本によって決定されたのか…

赤毛のアン/モンゴメリ

赤毛のアン 赤毛のアン・シリーズ 1 (新潮文庫)作者:ルーシー・モード・モンゴメリ発売日: 2008/02/26メディア: 文庫 英語の原典の方は途中で放棄してしまったが、村岡花子の訳でその続きを読んだ。 出来すぎた話だと思いつつも、目頭を熱くしたりして、とこ…

聖書外典偽典 別巻 補遺Ⅱ/日本聖書学研究所編

聖書外典偽典 別巻2 補遺作者:日本聖書学研究所発売日: 1982/12/01メディア: 単行本 新約外典に関する補遺である。収録されているのは、ナザレ人福音書、フリア・ロギオン、使徒たちの手紙、ストラスブール・パピルス、ペテロの宣教、ペテロの宣教集、預言者…

朝の祈り 夜の祈り/ジョン・ベイリー

朝の祈り夜の祈り作者:ジョン・ベイリー発売日: 1990/06/01メディア: 単行本 2002年に結婚したIさんとAさんの結婚式で配られたものらしい。扉に一枚上質の和紙が貼ってあって、「わたしがあなたがたを愛したように あなたがたも互に愛し合いなさい」というヨ…

フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる宗教学/井上順孝

本当にわかる宗教学作者:井上 順孝発売日: 2011/03/25メディア: 単行本 学生時代に好きだった授業の一つがF先生の宗教学だった。 いつも15分遅刻して授業にやってくる。今は知らないが、昔は普通のことで、これをアカデミク・クォーターと呼び慣わしていた。…

洗礼者ヨハネ【読書メモ】

ユダヤ古代誌〈6〉新約時代篇(18−20巻) (ちくま学芸文庫)作者:フラウィウス ヨセフス発売日: 2000/03/01メディア: 文庫 しかし、ヘロデ〔・アンティパス〕の軍隊の敗北は、ユダヤ人の中の心ある人びとにとっては、神の意志にもとづく復讐であるように思われ…

キリスト証言【読書メモ】

さてこのころ、イエスス(イエス)という賢人――実際に、彼を人と呼ぶことが許されるならば――が現れた。彼は奇跡を行う者であり、また、喜んで真理を受け入れる人たちの教師でもあった。そして、多くのユダヤ人と少なからざるギリシア人とを帰依させた。彼こ…

最終回【短歌の目】

短歌の目は今月がとりあえずの最終回だそうです。私の短歌づくりも、たぶんこれが最後になります。 それで今回はふざけることなく作ってみたのですが、宗教色が濃すぎるのでやっぱり参加はしないこととします。 最近の心境で一首。 ガタピシと満身軋む不惑で…

2015年11月【振り返り】

▼短歌を趣味にしようかと一瞬考えたが、たぶん無理。万葉集、王朝和歌集、近代短歌集、現代短歌集とか引っ張り出したけど、それも直ぐに引っ込めた。 ▼短歌の目は来月で終わるそうなので、できれば少し真面目に取り組んで参加してみたいのだけど、どうだろう…

クロッサンを始める【英語】

Jesus: A Revolutionary Biography作者:Crossan, John Dominic発売日: 2009/10/01メディア: ペーパーバック 今年、英語の原典講読はずっと『赤毛のアン』にかかりきっていた。英語は決して難しくないし、内容も面白いのだけど、何かあまり気分が乗らなくて、…

どう読むか、聖書/青野太潮

どう読むか、聖書 (朝日選書)作者:青野 太潮発売日: 1994/01/01メディア: 単行本 聖書をどう読むか。青野太潮の考えを一言で要約すれば、批判的に読めと言うことだと思う。 聖書とは矛盾をはらんだ逆説的な書物なのである。書かれてあることを書かれてある通…

女性使徒【聖書】

新約聖書〈4〉パウロ書簡作者:新訳聖書翻訳委員会発売日: 1996/08/20メディア: 単行本 先ずは、ローマ人への手紙16章7節の岩波訳(青野太潮訳)。 私の〔ユダヤ人の〕同胞であり囚人仲間であるアンドロニコスとユニアとに〔よろしく、と〕挨拶するように。彼…

現代【購入】

現代キリスト教神学入門作者:W.E.ホーダーンメディア: 単行本 状態「可」の割にきれいな本だった。 タイトルには「現代」とあるが、原題は単に『プロテスタント神学入門 (A Layman’s Guide to Protestant Theology) 』であり、記述は原始キリスト教から始ま…

原始【購入】

原始キリスト教史 (NTD補遺5)作者:田中勇二,ハンス・コンツェルマンメディア: 単行本 大学図書館の除籍本で、状態は「可」と評価されていたから、そうとう傷んでいるのかと思っていたが、届いてみたら図書館の印が押されていたり分類シールが貼ってあるだけ…

旧約聖書XI 詩篇/旧約聖書翻訳委員会訳

旧約聖書〈11〉詩篇作者:旧約聖書翻訳委員会発売日: 1998/06/15メディア: 単行本 福音書はこんなイエスの言葉を伝えている。 イエスは神殿の境内で教えていたとき、こう言われた。「どうして律法学者たちは、『メシアはダビデの子だ』と言うのか。ダビデ自身…

イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北/内藤正典

イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北 (集英社新書)作者:内藤 正典発売日: 2015/01/16メディア: 新書 日本の場合、第二次世界大戦における侵略行為の戦争責任を厳しく問われます。しかし中東やアフリカで現在もなお傷跡を残しているのは――いや、今も生々しく血…

クルアーン?【アラビア語】

先日職場のテレビがなぜかロシア語講座を映していて(たぶんチャンネルを変えた人が小林麻耶を見たかったのだろう)、暫くしたらそれがアラビア語講座に変わった(久しぶりに戦場カメラマンを見た)。私は後者の方に見入ってしまった。 私も今年の初め頃、ア…

短歌?【短歌】

奥歯から剥がれて落ちたその顔にサイクス・ピコの夢のおごめき 短歌を趣味にしてみようかなと再び考え始めている。私には詩も小説も書けないから。 メモ紙の余白に足りる形式でただそれだけの理由しかない 本格的に学ぶ時間も気力もお金もない。好き勝手に我…

放下著【読書メモ/ラテン語】

日暮れ塗みち遠し。吾が生すでに蹉跎さだたり。諸縁を放下ほうげすべき時なり。信をも守らじ。礼儀をも思はじ。この心をも得ざらん人は、物狂ぶっきょうとも言へ。うつつなし、情けなしとも思へ。謗るとも苦しまじ。誉むとも聞き入れじ。(徒然草112段) 日…

パウロと結婚【ドイツ語】

So gab es für Paulus zwischen ehelicher und religiöser Bindung eine unüberbrückbare Spannung. Verheiratete sind gespalten zwischen Ehepartner und dem Herrn (ⅠKor 7,32ff). Der Eph macht aus dieser Konkurrenz ein harmonisches Abbildverhältni…

生首愛【フランス語】

― Du moins il fut aimé comme peut-être il est doux de l’être. Quelle femme actuellement vivante n’aurait horreur de toucher à la tête de son amant décapité ? (p.306) 「ええ、ともかくあの人は、あれほど思われたらうれしいだろうと思われるくら…

ユダヤ古代誌5/フラウィウス・ヨセフス

ユダヤ古代誌〈5〉新約時代篇(15−17巻) (ちくま学芸文庫)作者:フラウィウス ヨセフス発売日: 2000/02/01メディア: 文庫 この一巻はほぼすべてヘロデ大王の統治について。苛烈、残忍であったとも言われるが、当時の地中海世界の中でも極めて有能な政治家であ…