本の覚書

本と語学のはなし

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

孤独の発明

今日から Paul Auster 『The Invention of Solitude』(Penguin Books)を始めた。ポール・オースター『孤独の発明』(柴田元幸訳、新潮文庫)を参照するが、ヴァージニア・ウルフよりずっと読みやすいので、あまり翻訳は見ないだろうと思う。 冒頭部分を書…

『花のノートルダム』

●ジュネ『花のノートルダム』(中条省平訳、光文社古典新訳文庫) 現代版『サテュリコン』*1。しかし、同性愛と犯罪を賛美してはいるが単なる悪漢小説をはるかに超えて、おぞましくもあまりに美しく純粋な童話が紡ぎだされる。蚕の糸は常に現に吐き出され、…

『Mrs Dalloway』

●Virginia Woolf 『Mrs Dalloway』(Penguin Popular Classics) 当初はダロウェイ夫人が自殺するはずだったという。しかし、セプティマスが代わりに自殺した。「どういうわけか自分が彼に似ている気がする――自殺をしたその青年に。彼がそうしたことをうれし…

『闇の奥』

●コンラッド『闇の奥』(黒原敏行訳、光文社古典新訳文庫) 帝国主義時代の象牙交易にまつわる非人道的な状況の一端を知ることができて興味深いが(コンラッドは実際に当時のコンゴを航海士として体験している)、必ずしもそういうことを描くのが目的ではな…

『基礎英作文問題精講』

◎花本金吾『基礎英作文問題精講 改訂版』(旺文社) 文法、構文、基本表現が要領よくまとめられていて便利。自由作文については出題の傾向が分かる程度。 実際に英語を書く訓練は別の本でやっている。したがって、この本では各セクション冒頭の問題を頭の中…

『木曜日だった男』

●チェスタトン『木曜日だった男 一つの悪夢』(南條竹則訳、光文社古典新訳文庫) ひょんなことから無政府主義者の会合に出席し「木曜日」になったサイム。奇想天外、荒唐無稽な冒険譚が綴られるが、単にミステリーというだけでなく、思想の書としても読まれ…

ダロウェイ夫人

タイムは辞書をほとんど使わず大意を取る読み方に変え、読解の中心を文学に移したおかげで、このところ『ダロウェイ夫人』がはかどっている。とはいえ、ときどき詩的なイメージが連なって何度も読み返さないと意味の分からない文章が出てくるので、残り4分の…

購入

★ジュネ『花のノートルダム』(中条省平訳、光文社古典新訳文庫) ★コンラッド『闇の奥』(黒原敏行訳、光文社古典新訳文庫) ★花本金吾『基礎英作文問題精講』(旺文社) 2日くらいに分けてやろうと思っていたことを、午前中に全部終わらせた。 まず車のガ…

『停電の夜に』

●ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』(小川高義訳、新潮文庫) 以前、翻訳通信講座の初級編を受講したとき、この短篇集の「ピルザダさんが食事に来たころ」の一文が課題として取り上げられていた。ハローウィンの日のちょっとした描写だけだったので物語の全体…

枕草子

あてなるもの 薄色うすいろに白襲しらがさねの汗衫かざみ。かりのこ。削けづり氷ひに甘葛あまづら入れて、あたらしき鋺かまなりに入れたる。水晶すいさうの数珠ずず。藤ふぢの花。梅花に雪の降りかかりたる。いみじううつくしきちごのいちごなど食くひたる。…

思考停止

就職活動の方はあれから何もしていない。日曜も祝日もなく、実質的には週休1日になりそうな気がする。果たして肉体的にも精神的にもそれに耐えられるかどうか。そこから先は、完全に思考を停止している。 Y塾では今年から新たな試みをスタートさせている。そ…

『失われた時を求めて1』

●プルースト『失われた時を求めて1 第一篇「スワン家のほうへⅠ」』(高遠弘美訳、光文社古典新訳文庫) 少し時間がかかったけど、無事読了。途中で意味が分からなくなりながら、まあいいやと思ってそのまま戻らずに読み進めることも多々あった。等閑でよい…

偵察その3

今日は塾は休み。入り口にはシャッターが下りていて、窓からも明かりはもれていない。パンフレットが置いてあったので貰ってきた。授業の数・曜日・時間も、講師の名前も書いてある。大変な収穫だった。 まず第1に、昨日見た女性は塾長夫人ではなかった。 第…

偵察その2

またY塾を見てきた。私の古い地図には載っていない新しい道を通ったら、20分程度で着いた。 1階の事務室には誰もいないようで、入塾の相談は2階へという札が掛けてある。裏手に回り2階を見上げると、女性が1人電話をしている姿が確認された。日曜日はクラス…

『フランス短篇傑作選』

●『フランス短篇傑作選』(山田稔編訳、岩波文庫) 19世紀末から20世紀のフランスの短篇アンソロジー。どれも面白かったが、なかでもアナトール・フランスの「幼年時代」が好きだ。それから、アンドレ・モーロワの描くタナトス・パレス・ホテルには行ってみ…

偵察

Y塾までは片道30分弱だった。 午後4時ころ。1階の外から見えるところ(受付?)で男性が食事をしていた。忙しくなる前に腹ごしらえということだろう。市役所通りにあるとはいえ人通りはほとんどないのだけど、ちょっとねえと思った。田舎はこれでいいのだろ…

不採用通知

N校から不採用通知が届いた。書類選考で振るい落とされてしまった。面接まで持ち込めば何とかなるかと思っていたけど、経験5年という応募要件を満たしていないし、履歴が怪しすぎるし、まあ仕方ない。 Y塾の方に切り替えよう。個人経営の小さな塾である。中…

Y塾

以前興味を持ったY塾*1の求人がまた出ていた。前回のハローワーク有効期限が先月末で切れたので、再びということらしい。不況と言いながらなぜ人材が集まらないのだろうか。全国的にチェーン展開をしているMとかIなどは求人票を見るだけで劣悪な労働条件と分…

『頻出英熟語問題1000』

●瓜生豊・篠田重晃『大学受験スーパーゼミ 全解説 頻出英熟語問題1000』(桐原書店) 『頻出英文法・語法問題1000』は問題を解きながら間違ったところ(恥ずかしながらたまに間違える!)を中心に解説を読んだが、『頻出英熟語問題1000』の方は本編の例文と…

『頻出英文法・語法問題1000』

●瓜生豊・篠田重晃『大学受験スーパーゼミ 全解説 頻出英文法・語法問題1000 増補改訂版』(桐原書店) 4択問題(正誤指摘問題と整序問題もあり)を解きながら、比較的短時間で文法と語法の知識を整理することができる。意外と楽しかった。 文法書を通読し、…

『英文構成法』

●佐々木郄政『英文構成法 五訂新版』(金子書房) 英文法を説明している本には違いないが、その英文法がなかなか高級であり、しかも英文を構成するという視点から編集されているので、私のように英作文を怠け続けてきた人間にとっては新鮮だし、おかげで随分…

購入

★プルースト『失われた時を求めて1 第一篇「スワン家のほうへⅠ」』(高遠弘美訳、光文社古典新訳文庫) 『消え去ったアルベルチーヌ』*1の訳者による全訳が始まったので、この機会にと思って買ってみた。全14巻になる予定。 あとは英語の参考書を見てきた。…