本の覚書

本と語学のはなし

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

振り返る1月

1月に読んだ本。 (1) 坂の上の雲(一)/司馬遼太郎:http://d.hatena.ne.jp/k_sampo/20130103/p1 (2) 新潮日本文学アルバム 森鷗外:http://d.hatena.ne.jp/k_sampo/20130111/p1 (3) 坂の上の雲(二)/司馬遼太郎:http://d.hatena.ne.jp/k_sampo/2013011…

購入その五

『鷗外近代小説集 第五巻』、保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』、中条省平『小説家になる!』、クーンツ『ベストセラー小説の書き方』。とりあえず小説入門はこれでおしまい。次は、詩、短歌、俳句を検討してみるつもり。 本をたくさん買って…

坂の上の雲(四)/司馬遼太郎

相変わらず日露戦争が続く。明治の昔とはいえ、すでに近代戦である。凄まじく人間が消費されていく。 とりわけひどいがの旅順である。この地を任されたのは乃木希典。有名な人だが、軍事的にはまったくの無能であったらしい。ただし、この戦争における人事は…

小説を書きたい人の本/清原康正

カルチャーセンターで小説教室を担当する人が監修した本。平易な基本が綴られているだけで、とりわけワクワクするような内容ではない。冒頭の三人の作家(市川拓司、島本理生、保坂和志)へのインタビューがほとんどクライマックスといった感じだ。 しかし、…

購入その四

清水良典『2週間で小説を書く!』、北村薫『北村薫の創作表現講義』、清原康正『小説を書きたい人の本』。いろんなタイプの小説入門を読んでみたい。単なるマニュアル、エンターテイメントでベストセラーを書く秘術、プロで生き抜く骨法、むしろ鑑賞する技…

2週間で小説を書く!/清水良典

二週間で小説を書き上げるための本ではない。小説を書くための基礎力、心得、ノウハウを二週間で身につけようという本である。実戦練習が十四問ついているから、それを毎日こなせばよいのだが、私を含めてほとんどの読者はペンを手にすることなく、キーボー…

購入その三

山本有三『米百俵』。昨日届いて、そのまま職場に持って行き、職場で読了。虎三郎をずいぶん熱心に研究しているのには感心するが、今から見るとあまりに能天気な有三の思想に啞然とする。米百俵 (新潮文庫)作者:山本 有三メディア: 文庫 石黒拡規『読むだけ…

米百俵/山本有三

前半は戯曲『米百俵』。小林虎三郎は佐久間象山の門下において、吉田松陰(寅次郎)とともに、「二虎」と称えられた学問の人である。河井継之助の親類であるが、その政策に断固反対を貫いたことは、司馬遼太郎の『峠』*1にも有名なエピソードとともに語られ…

変更

元日に書いたこと*1はさっそく下のように変更した。本当はもっと絞らなくてはいけないのかもしれないが、今のところはこれが限界。何か書く時間は取れるだろうか。 B 併読予定 (1) 新潮日本古典文学集成/道元全集(余裕があれば良寛全集も) (2) フランス文…

小説作法ABC/島田雅彦

この手の本は今までにも何冊か読んできたが、読んだから書けるというものではない。書き始めてから読んでこそ、実りのあるものかもしれない。それでも、これまでの場合とは違って、アイディアは浮かんできた。他の小説入門に比べて島田のが特に優れていると…

購入その二

森於菟『耄碌寸前』、小堀杏奴『のれんのぞき』。鷗外の子どもは五人いる。登志子の子が於菟(おと)で、医者になった。森千里*1は彼の孫である。後はみな志げの子ども。茉莉(まり)は作家になった。フローベール研究を手がけた山田爵(じゃく)は彼女の子…

購入

鷗外関係を中心に数冊本を注文したのが届きつつある。とりあえず今日来たものを。 吉村昭『白い航跡』上下。森千里『鷗外と脚気 曽祖父の足あとを訪ねて』。いずれも脚気紛争を扱っている。これについては鷗外の失敗や責任をどの程度のものと考えるか、人に…

坂の上の雲(三)/司馬遼太郎

正岡子規は最初の四十ページでいなくなり、あとはひたすら軍関係の話。いよいよ日露戦争が始まる。 一部の軍人が非常に勉強熱心で、兵隊は死を恐れず勇敢で、政府は国民に恐るべき負担を強いて軍備を増強したということはあるだろうけど、日本がロシアに勝つ…

良寛 人と思想149/山崎昇

田舎の郷土史家とはこんなものだろうか。知識や語彙は立派な大人かもしれないが、ほとんど小学生の作文である。至るところ、文法、言葉の運用、文と文の接続が不適切であったり、間違っていたりする。それはよい(よくはないが)。せっかくふんだんに持って…

坂の上の雲(二)/司馬遼太郎

前半は日清戦争の話。これが司馬遼太郎の戦争観なのだねというのがよく分かる。やたらと産経新聞で賞揚されている理由もよく分かる。それは分かるのだが、日本側の視点のみを受容すればやはり碌なことにはならないだろう。司馬がそういう書き方をしているわ…

新潮日本文学アルバム 森鷗外

坂内正『鷗外最大の悲劇』(新潮選書)が届いた。鷗外は決して聖人君子ではない。その生涯にはイメージにそぐわない幾つかの脱線だってある。ドイツ留学時代の恋人エリーゼが鷗外を追って来日した事件は有名だ。最初の妻登志子を離縁した後、美術品のごとき…

クリスマス・キャロル (1970)

ミュージカルとしての大団円的演出のために、後半に行くに従ってどんどん原作とは離れていく。もともと複雑な話ではないけど、さらに枝葉が切り落とされるし、スクルージは分かりやすい守銭奴にするため、たんなる高利貸のように描かれている。 それが奏功し…

坂の上の雲(一)/司馬遼太郎

今年の一冊目。 これまで読んできた幕末ものからは少し年代が下り、明治初年から日露戦争までが、正岡子規と秋山好古、真之兄弟という松山出身の三人を通じて描かれる。代表作と言われる。筆の充実のせいだろうか、政治の中枢からは離れた人たちの物語である…

Disney’s クリスマス・キャロル

ディズニーの『クリスマス・キャロル』だが、子ども向けというには恐怖を誘うべく作られており、ディケンズのユーモアはほとんど失われている。3Dで見るべき作品なのだろう。 クリスマスの定番になりそうにはない。 Disney's クリスマス・キャロル [DVD]発売…

一年の計

明けましておめでとうございます。 A 今年の目標 (1) 体調を崩さない (2) 倹約する (3) 古文、英語、フランス語、ドイツ語を不自由なく読解できるようにする (4) 偉大さも卑小さも含めて、森鷗外を偏愛する (5) もう分かったとか分かるはずがないとか短気を…