本の覚書

本と語学のはなし

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

夕顔

尼君も起き上がりて、「惜しげなき身なれど、棄てがたく思ひたまへつることは、ただ、かく、御前にさぶらひ御覧ぜらるることの変りはべりなんことを口惜しく思ひたまへたゆたひしかど、忌むことのしるしによみがへりてなん、かく渡りおはしますを見たまへは…

長歌

『万葉集』巻第二は、前半の相聞を終えた。『万葉集』を読む大きな楽しみの一つは、長歌の序詞の壮大な比喩的イメージにあると思う。例えば、柿本人麻呂の次の歌など、石見の海を詠みつつ、その寄せ来る玉藻のイメージが寄りそう(現地)妻へと転換していく…

額田王

『万葉集』の2巻が途中になっていたので、再開する。天武天皇の子・弓削皇子と額田王の間に歌のやり取りがある。青年が老女に、亡き父への愛を確かめるかのような歌である。 111 古に 恋ふる鳥かも ゆづるはの 御井の上より 鳴き渡り行く 弓削皇子 (亡き父…

変態的ボヴァリー夫人

Pendant qu’elle le considérait, goûtant ainsi dans son irritation une sorte de volupté dépravée, Léon s’avança d’un pas. (p.161) 彼女がこうして、腹立たしさのなかに一種の変態的な快感を味わないながら夫をじっと見ているあいだに、レオンが一歩進…

購入

『原文対照現代語訳 道元禅師全集第九巻 正法眼蔵9』(春秋社)を購入。『正法眼蔵』はこれで完結。全集もあと『清規・戒法・嗣書』の1冊を残すのみとなった。一時期の道元熱は既に冷めているけど、長らく春日佑芳の解釈にばかり頼り切っていたから、そこを…

購入

安い腕時計とブコウスキー『町でいちばんの美女』とユルスナール『東方綺譚』を購入。腕時計は今使っているのと全く同じもの。*1バンドが切れそうになったので、買い替えることにした。 ハローワークで求人票を1枚プリントアウトしてもらう。1年ちょっと前に…

「帚木」終了

心の中には、いとかく品定まりぬる身のおぼえならで、過ぎにし親の御けはいとまれる古里ながら、たまさかにも待ちつけたてまつらば、をかしうもやあらまし、しひて思ひ知らぬ顔に見消(みけ)つも、いかほど知らぬやうに思すらむ、と心ながらも胸いたく、さ…

購入

Die Hälfte meiner Ferienzeit ― und bei Ferien ist immer die erste Hälfte die längere ― war längst vorüber, und der Sommer fing nach einer heftigen Gewitterwoche schon langsam an, älter und nachdenklicher zu werden. Ich aber, als sei sonst …

文学

ἧος ὁ ταῦθ’ ὥρμαινε κατὰ φρένα καὶ κατὰ θυμόν, ἕλκετο δ’ ἐκ κολεοῖο μέγα ξίφος, ἦλθε δ’ Ἀθήνη οὐρανόθεν· πρὸ γὰρ ἧκε θεὰ λευκώλενος Ἥρη, ἄμπω ὁμῶς θυμῷ φιλέουσά τε κηδομένη τε. (1.193-196) 〔アキレウスが〕かく心の中、胸の内に思いめぐらしつ…

積もる雪

昨日も今日も、夜のうちに雪が数センチ積もる。こんなに長引く冬は記憶にないのだけど、ニュースで大々的に扱わないところを見ると、私の記憶の方に問題があるのかもしれない。 少し時間ができて、喜んであれこれ手を出してきたが、ようやく落ち着きを取り戻…

アトラス神

... iamque volans apicem et latera ardua cernit Atlantis duri, caelum qui vertice fulcit, Atlantis, cinctum adsidue cui nubibus atris piniferum caput et vento pulsatur et imbri ; (4.246-249) さていま彼〔メルクリウス〕は飛びながら、人寄せつ…

昼夜逆転

昼夜の逆転した生活が続いている。そのせいか気分が乗らず、このところ英仏以外の言葉を遠ざけている。歴史、タイム、仏文、英文を日課にするだけで十分。それがもともと私の能力の限界なのだろう。 挫折するかもしれないけど『失われた時を求めて』の2巻を…