本の覚書

本と語学のはなし

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

新モデム

雷のせいだか、モデムにアラームの赤ランプが灯ったので、サービスセンターに電話した。生身の人間の声をひとことも聞くことなく、私のほうも一音節すら発することなく、新モデムが送られる運びとなった。 今ほど、新モデムを接続し、旧モデムの梱包を済ませ…

購入

マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』、モンゴメリ『赤毛のアン』を購入。職場で読むことを考慮して、だんだんと易しいものに流されていきそうだ。しかし、こういうの、実は好きかもしれない。 これからは再読に力を入れた方がいいかもしれない。ある…

久しぶりに『源氏物語』

古代の祖母君の御なごりにて、歯ぐろめもまだしかりけるを、ひきつくろはせたまへれば、眉のけざやかになりたるもうつくしうきよらなり。心から、などかかううき世を見あつかふらむ、かく心苦しきものをも見てゐたらでと思しつつ、例の、もろともに雛遊びし…

久しぶりに『青春は美わし』

Doch entstand gerade hieraus für die letzte Zeit meiner Ferien ein köstlich freier, schwebender Zustand zwischen Zufriedensein und Mehrverlangen, der mir wie ein großes Glück im Gedächtnis steht. (p.67) しかし、まさしくその点から、休暇の最…

久しぶりに『アエネーイス』

ut primum alatis tetigit magalia plantis, Aenean fundantem arces ac tecta novantem conspicit. (4.259-261) 羽ある足でカルタゴの、むらがる家居に着くや否、 まずこの神〔メルクリウス〕の目にうつる、ものは高城(たかき)を構築し、 新舎をいとなむ…

久しぶりに『イーリアス』

θάμβησεν δ’ Ἀχιλεύς, μετὰ δ’ ἐτράπετ’, αὐτίκα δ’ ἔγνω Παλλάδ’ Ἀθηναίην· δεινὼ δέ οἱ ὄσσε φάανθεν· (1.199-200) 驚いて振り向いたアキレウスは、凄まじいばかりに輝く女神の両眼を見て、すぐにパラス・アテネをそれと識った。(上p.20) まだまだ残暑は厳…

『チャタレイ夫人の恋人』開始

ジェイムズに苦労してきたお蔭で、ずいぶん素直で易しい英語に見える。最後までこのままの調子で進まんことを。 例によって冒頭部分を書き抜いておく。参照するのは、新潮文庫の伊藤整訳(伊藤礼補訳)。 Ours is essentially a tragic age, so we refuse to…

『The Turn of the Screw』

●Henry James『The Turn of the Screw』(Dover) なかなか難しい英語であった。行方昭夫は、海中深く潜ってその意味するところを探り当て、説明をふんだんに補いながら、平明な日本語に置き換えている。それは語学学習者にとってはとても有難いことなのだけど…

『女中たち バルコン』

●ジャン・ジュネ『女中たち バルコン』(渡辺守章訳、岩波文庫) 第一に、和書は通勤のバスの中、勤務前の空き時間、夜勤の合間に読む。原則として家では開かない。そういうものとしてこの作品に対するのは、甚だ不適切であったかもしれない。 今後は選択の…

『夜の果てへの旅』開始

次はセリーヌの『夜の果てへの旅』。冒頭部分を読む限り、それほど難しいフランス語ではないようだが、活きのよい口語的な表現には苦しめられるかもしれない。 中公文庫の生田耕作訳と原文を比べるのも、楽しい作業になりそうだ。最初の段落の最後の文を、一…

『Madame Bovary』

●Flaubert『Madame Bovary』(folio classique) 中学のときに翻訳で読んだことがあるけど、不倫を繰り返し自殺する主人公に何ら共感を覚えることはなかった。今ならば、私の生き方もエンマと同断ではないかと反省することもできるが。 最後は薬屋オメーの栄達…

慣れてきた

仕事にも慣れてきた。夜勤にも慣れてきた。暑さも峠を越したし、オリンピックも終わったし(見ていたのは主に夜勤の時だが)、夏祭りやお盆にともなう過密スケジュールは終わったし、研修期間も終わったしで、生活のリズムもだいぶ整ってきた。やっと読書や…

『ブヴァールとペキュシェ』

●フロベール『ブヴァールとペキュシェ』(鈴木健郎訳、岩波文庫、全3冊) あらゆる知識を究め尽そうとする試みにおいてはファウスト的だが、何をやっても壁にぶち当たって中途半端に終わり、人間の愚かしさを暴露して終わるという点ではドン・キホーテ的。し…

終油の秘蹟

Le prêtre se releva pour prendre le crucifix ; alors elle allongea le cou comme quelqu’un qui a soif, et, collant ses lèvres sur le corps de l’Homme-Dieu, elle y déposa de toute sa force expirante le plus grand baiser d’amour qu’elle eût j…

購入

アナトール・フランス『エピクロスの園』、ユルスナール『とどめの一撃』、コレット『牝猫』、ジャン・ジュネ『女中たち・バルコン』、ル・クレジオ『海を見たことがなかった少年 モンドほか子供たちの物語』、クッツェー『恥辱』。 最近こんな量を一か月で…