本の覚書

本と語学のはなし

2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

8月

◆きちんとこなしたのは図書館通いだけ。したがって、今月の勉強といえばほとんど「ニューズウィーク」と「ディプロマティク」を読んだだけなのだが、それで十分ということが分かって却ってよかった。先月末から図書館を午前に切り換えたのは正解であった。 ◆…

Die Verwandlung

カフカ『変身』の池内紀訳。 久し振りのドイツ語だ。せっかく半分読んだ『変身』を途中で投げ出すのも惜しい。とりあえず、『ツァラトゥストラ』には戻らない。 復活の足跡を残すために、関係代名詞を含んだ文章をかなり自由な配置換えで再現する、いかにも…

『女警部ジュリー・レスコー 新入生殺人事件』

原題の『Bizutage』は、字幕では単に「いじめ」となっているけれど、詳しく言えば「新入生いじめ」である。突発的に起こるのではなくて、制度として守り伝えられてきているものなのだ。寄宿舎に入って学ぶようなエリート校では、程度の差こそあれ、フランス…

『投資銀行青春白書』

●保田隆明『投資銀行青春白書』(ダイヤモンド社) M&Aを投資銀行の内側からの視点で描いている。軽い小説仕立てになっているので読みやすい。 職場の様子は著者の個人的な理想の反映であるらしいが、それは実にくだらないものである。したがって、小説とし…

『女警部ジュリー・レスコー 母の想い』

先週から週末には映画やドラマを見ることにした。先ずは浪費家だった頃に買って未だ見ていないDVDをやっつけよう。新規購入をする予定はないから、その後は繰り返し同じものを見るか(『アメリ』や『ティコ・ムーン』なんて、もう何度見ているか分からない)…

『図解雑学 M&A』

●小川好澄『図解雑学 M&A』(ナツメ社) M&Aは企業買収のことで、一時期ニュースでも相当話題になっていたから、TOBだのLBOだのホワイト・ナイトだのパックマン戦術だの、聞き覚えはあるかもしれない。さてそれがどういう意味だかとなると、よく分からない…

The Moon and Sixpence

『月と六ペンス』の行方訳。 □It was the first natural sleep he had had for a week. ■睡眠薬なしで寝ついたのは一週間ぶりだった。 ふむふむ。 話は変わる。 昨日『感情教育』を読んでいたら、「三十ばかりの色つやの褪せた細長い婦人」が「アルヌーとな…

『女警部ジュリー・レスコー 赤毛の2人』

フランスは日本をはるかに越える柔道大国だというのに、この作品の中に出てくる柔道は決して柔道などではない。空手と合気道と柔道がごちゃ混ぜになっている。 礼儀を重んじ、畳に靴で上がることなど絶対に許さない師範の女性が、畳の上で柔道着を着たまま性…

アメリカ文学

★フォークナー『熊 他三篇』(加島祥造訳,岩波文庫) ★リチャード・ブローティガン『芝生の復讐』(藤本和子訳,新潮文庫) ★ポール・オースター『幽霊たち』(柴田元幸訳,新潮文庫) 勉強する気のない高校生の話し声が気になって、図書館での語学学習を早…

The Moon and Sixpence

『月と六ペンス』の行方訳。 □Women are constantly trying to commit suicide for love, but generally they take care not to succeed. It’s generally a gesture to arouse pity or terror in their lover. ■女は惚れたの振られたのと言って自殺しますが…

Bel-Ami

『ベラミ』の杉訳(岩波文庫)。 □Le garçon apporta les sirops, que les femmes burent d’un seul trait ; puis elles se levèrent, et la brune, avec un petit salut amical de la tête et un léger coup d’éventail sur le bras, dit à Duroy : « Merci…

『この世で一番の奇跡』

●オグ・マンディーノ『この世で一番の奇跡』(菅靖彦訳,PHP) 獅子座さんからの紹介により読んでみる。文学というカテゴリーに入れるべきかどうか迷うが、図書館の分類に従う。ストーリーのある自己啓発本といった感じ。 最近の悪い癖として、翻訳の稚拙さ…

The Moon and Sixpence

久し振りに『月と六ペンス』の行方訳。そろそろオリンピックにも飽きてきたし、ちょっと過ごしやすくなってきたので、この辺で復活を。 □I am a little shy of any assumption of moral indignation. There is always in it an element of self-satisfaction…

Bel-Ami

『ベラミ』の杉訳(岩波文庫)。 □On les connaît toutes depuis six ans ; on les voit tous les soirs, toute l’année, aux mêmes endroits, sauf quand elles font une station hygiénique à Saint-Lazare ou à Lourcine. ■十年も前からみんな顔の知れて…

『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』

●村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』(文春新書) 暫くブログを更新していなかったのはミニマムな生活を送っていたせいであるけれど、精神的に落ち込んでいたというよりは、暑さに体がついていかないという感じであった。日々きちんとこなし…

Bel-Ami

『ベラミ』の杉訳(岩波文庫)。片仮名語について。 □Un tour au Bois n’est amusant qu’avec une famme, et on n’en a pas toujours une sous la main ; les cafés-concerts peuvent distraire mon pharmacien et son épouse, mais pas moi. ■ボワを一まわ…