本の覚書

本と語学のはなし

2009-01-01から1年間の記事一覧

2009年

◆翻訳 通信講座でビジネスコースと金融・証券コースに取り組む。プロとしてやっていけるレベルかどうかは未だに疑問。一番の問題は実務経験がないことだ。本や新聞を読んで知識を増やすしかない。 本当はもう翻訳者として活動を始めているはずだったが、少し…

『MY BEST よくわかる世界史』

●鶴間和幸監修『MY BEST よくわかる世界史』(Gakken) ごくふつうの学習参考書。 来年も一年かけて日本史と世界史に一通り目を通す予定。歴史はすぐに忘れてしまう。どうにかならないものだろうか。よくわかる世界史 (MY BEST)作者:鶴間和幸メディア: ペー…

永平広録巻1

最近こればっかりだけど、また道元。 鏡島訳と石井訳を上堂114で比較してみる。先ずは鏡島訳。 【読】上堂。云く。仏仏、仏仏に正伝す。この中必ず三物あり。驢胎と馬腹と牛皮となり。這裏(ここ)に現成し払払たり。 【訳】上堂して言われた。仏という仏は…

永平広録巻1

石井恭二の訳(河井出書房新社)も参照することにした。お手付きが多そうな気がして今まで避けてきたけど、全集の訳だけでは疑問が拭えない場合もある。そういう時だけ使うことにする。 上堂86で全集の鏡島元隆訳と比較してみよう。 先ずは鏡島訳。 上堂して…

『オバマは何を変えるか』

●砂田一郎『オバマは何を変えるか』(岩波新書) オバマの大統領就任から200日を総括する。 なんだか文章が思考に絡みつかないまま読み終えてしまった。英文から翻訳された文体のような感触があって、原文に忠実なのに読みにくい翻訳のことなど考えたりした…

永平広録巻1

暫く遠ざかっていた翻訳の通信講座に再び取り掛かる。課題を仕上げるのに二日徹夜し、今日投函してきた。でもこれで終わりではない。課題はまだ二つ残っている。仕事の開始は来年にずれ込んでしまった。翻訳でやって行けるかどうか、今でも自信は持てない。 …

ディプロ

★LE MONDE Diplomatique, Décembre 2009 ★橋本尚編著『図解・イラストによるIFRS国際会計基準入門』(銀行研修社) ディプロをずっと買い続けるかどうかは未だ思案しているところ。

文体練習

★Raymond Queneau『Exercices de style』(folio) 一つの短い話を99通りのヴァリエーションで書き分ける試み。朝日出版社から翻訳も出ているが、馬鹿みたいに高いので原文をペーパーバックで買ってみた。

永平広録巻1

『道元禅師全集第10巻』を読み始めた。いよいよ「永平広録」である。道元自身が日本語で著した「正法眼蔵」に対して、「永平広録」は道元の説法等を弟子たちが集め漢文で記録したもの。 重要なのは分かっているが、中国の伝統的な語録の体裁をとっているので…

H君ふたたび

高校時代の友人のH君*1からハガキが来た。この前のメールで予告してた年賀欠礼かと思いきや、単なる近況報告だった。 引っ越して2カ月、まだ職は見つからず、これから簿記とパソコン操作(エクセルとワード)の職業訓練を受けるつもりとのこと。実家ではなく…

存在の彼方へ

レヴィナスの『存在の彼方へ』(講談社学術文庫)はなかなか進まないし、よく分からない。しかし、時々抜き書きをしていこうと思う。 〈語ること〉の自己背信を代償として、すべては現出する。語りえないもの(indicible)さえが現出する。だからこそ、語り…

『私家版・ユダヤ文化論』

●内田樹『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書) 日本やフランスにおける反ユダヤ主義の記述も十分興味深いのだが、圧巻は何と言っても、ユダヤ人はなぜ知性的なのか、そしてなぜユダヤ人は迫害されるのかに答えを見出そうとする終章である。 わけのわからない…

『日経新聞の数字がわかる本』

●小宮一慶『日経新聞の数字がわかる本 「景気指標」から経済が見える』(日経BP社) 月曜日の日経新聞に載っている景気指標。最近は漫然と数字を眺めるだけになっていたので、この本を再読してみた。*1国内指標は7つにカテゴライズされ(紙面を用いた分類表…

『法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる』

●奥村佳史『法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる』(光文社新書) 簿記のルールを知っているだけでは法人税は理解できない。会計上の収益と費用は、必ずしも法人税の益金と損金に一致しないからだ。決算書では赤字になっている会社でも、法人税の…

『図解雑学 道元』

●中野東禅『図解雑学 道元』(ナツメ社) 道元の生涯を手軽に知るにはいい本だが、思想の紹介には疑問が多い。例えば、道元が宋から帰国して直ぐに撰述した『普勧坐禅儀』からの引用。 道本円通、いかでか修証を仮(か)らん。宗乗自在、なんぞ功夫を費やさ…

試行錯誤

メニューの変更はまだ試行錯誤の段階。 中断していた歴史の参考書をまた少しずつ読むことにした。そうしないと歴史の知識はすぐに劣化してしまう。 レヴィナス『全体性と無限』の原典講読はやっぱり止め、モーパッサン『ベラミ』に戻す。ギリシア語、ラテン…

『日本辺境論』

●内田樹『日本辺境論』(新潮新書) 日本人は辺境人であるという観点から論を展開し、徹底して辺境人であろうとメッセージを送る。これまでに多少とも内田の本やブログに親しんでいる身としては馴染みの話も多いのだが、新書は赤線だらけになってしまった。 …

『道元禅師全集14 語録』

●『原文対照現代語訳・道元禅師全集14 語録』(伊藤秀憲ほか訳注,春秋社) 「普勧坐禅儀撰述由来」「普勧坐禅儀」「永平初祖学道用心集」「真字『正法眼蔵』」を収録する。 現代語訳と豊富な注釈がありがたい。読むことができたのは、この新全集のおかげで…

真字『正法眼蔵』

第122則。読むたび目頭が熱くなるエピソード。長いので現代語訳だけ引用する。 報恩玄則禅師《法眼に嗣ぐ》は、法眼の道場にいた。ある日、法眼が問うた、「あなたはここにどのくらい居ますか」。玄則、「和尚さんの道場に居て、すでに三年になります」。法…

Totalité et infini

だいぶ回復の兆しはあるが、さらに改善させるために、メニューを少し変更してみることにした。 英語とフランス語の基本的な読解力は、午前中のニューズウィークとル・モンド・ディプロマティクで養うことにする。 ディプロは10月号を引っ張り出して来て、日…

雑記

銀行と床屋とガソリンスタンドに行ってきた。前回ガソリンを補給したのは1月25日だから、車を持っている意味はほとんどない。床屋とガソリンスタンドという最も嫌いな場所に一遍に出かけて、少々疲れた。 アスペルガー症候群を自覚したからというわけではな…

『アスペルガー症候群』

●岡田尊司『アスペルガー症候群』(幻冬舎新書) 自分の症状を並べたてられているような感覚。チェックリストによる簡易診断でも疑いは濃厚だ。かなりの確率で私は軽度のアスペルガー症候群である。既に社会生活に適応できずにドロップアウトを繰り返してい…

ボキャビル/リーマン/アスペルガー

★植田一三『発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング』(ベレ出版) ★ローレンス・マクドナルド,パトリック・ロビンソン『金融大狂乱 リーマン・ブラザーズはなぜ暴走したのか』(峯村利哉訳,徳間書店) ★岡田尊司『アスペルガー症候…

『現代の金融入門』

●池尾和人『現代の金融入門』(ちくま新書) リハビリに読む本ではなかった。 新たな金融論テキストの標準となるものだという自負のもとに書かれており、決済機能や金融規制などにも言及されているが、もう10年以上前の著作であるし、金融危機を経た後でもあ…

真字『正法眼蔵』

第80則。禅の目標は悟ることだと考えられているが、実のところ悟りに安住していてはいけない。しかし、悟りを捨て去ったところに捉われるのはさらに危険である。ちなみに、ここに登場する趙州は「放下著」と言った人でもある。 【読】趙州、衆に示して云く、…

Revenge of the Lawn

リチャード・ブローティガン『芝生の復讐』より、「万聖節の宵祭は船で行く海原」の原文と藤本和子訳(新潮文庫)。 As a child I used to play at Hallowe’en as if I were a sailor and go trick or treating down to the sea in ships. (p.62) 子供のとき…

Revenge of the Lawn

リチャード・ブローティガン『芝生の復讐』より、「談話番組トーク・ショウ」の原文と藤本和子訳(新潮文庫)。 I’m sitting here now, baldingfatmiddleagedyearslater, listening to a talk show on the second brand-new radio of my life while shadows …

真字『正法眼蔵』

真字『正法眼蔵』を読んでいる。真字というのは、仮名に対して漢字で書かれているということだが、実はこれは道元の著作ではない。『宗門統要集』などから集めた三百の公案を並べただけで、コメントも何も付けていない。 写本に二系統ありそれぞれ違う目的が…

The Republic

生活に少しばかりの潤いを与えるには、たとえ何の役にも立たないにしろ、昔やっていた語学を復習する以上のことはない。 ラテン語、ドイツ語と来たので、今日はいよいよギリシア語。アクセント記号と気息記号のせいで入力が大変だし、関心のある人はほとんど…

Schön ist die Jugend

ドイツ語を読んでるなあと実感するポイントはいくつかある。やたらに子音が多い、名詞が必ず大文字で始まっている、ウムラオトの記号がある、動詞が分離する、副文の中で動詞が末尾に位置するなどなど、どれもドイツ語のごつい感じを演出している。 しかし、…