本の覚書

本と語学のはなし

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

中公文庫の歴史シリーズ

歴史小説ばかり読んでていいのかという迷いがある。一つには、先ず客観的な事実を押さえておかなければいけないということ。一つには、大部の小説(しかも高速で読めてしまう)を片端から集めていては、金銭的にも苦しいし、収納にも困るということ。病的に…

『間違いの喜劇』

●ウィリアム・シェイクスピア『間違いの喜劇』(小田島雄志訳、白水Uブックス) シェイクスピアの戯曲は、学生の頃も社会人になってからも、東京と地元を結ぶ新幹線の中で読んでいたことことがある。肩ひじ張らずに楽しめて(特に初期の喜劇)、分量もちょう…

『竜馬がゆく(四)』

●司馬遼太郎『竜馬がゆく(四)』(文春文庫) 文久三年が話の中心になる。尊王攘夷運動の急先鋒であった長州藩が、薩摩、会津両藩のために京都から追放される(八月十八日の政変)。長州藩の企てと連動していた土佐藩士らの天誅組も、五条代官所を襲撃した…

日本古典

「日本の古本屋」というサイトから、「新潮日本古典集成」全82巻を注文した。送料を含めても一冊当たり450円弱だ。 詳しいことは届いてから書くつもりだが、このシリーズの最大の特徴は、分かりにくい本文のわきに赤色で傍訳をつけている点だろう。『源氏物…

診療報酬

事務員の机上にあったのを見て、買ってみた。私はかつて病院事務員をしていたことがあるけど、仕事はほとんど雑用。レセプトに関しては単純な入力を担当していただけだった。恥ずかしながら、二年間で診療報酬について覚えたことはほとんどない。 職場ではま…

『竜馬がゆく(三)』

●司馬遼太郎『竜馬がゆく(三)』(文春文庫) 維新の志士の中ではおくての方なのか、これといった活動をしてこなかった竜馬が、ここに来て公私ともに俄かに忙しくなる。 先ず、勝海舟を斬りに行く。剣の師匠筋、千葉重太郎に誘われてのことだが、竜馬は辻斬…

源氏の子

命長くもと思ほすは心憂けれど、弘徽殿などのうけはしげにのたまふと聞きしを、空しく聞きなしたまはましかば人笑われにや、と思しつよりてなむ、やうやうすこしづつさはやいたまひける。(紅葉賀8) これからは長く生きなければとお思いになることが宮にと…

『竜馬がゆく(二)』

●司馬遼太郎『竜馬がゆく(二)』(文春文庫) 尊王攘夷を、藩体制の枠組みはそのままに推し進めようとする動きに飽き足りない竜馬は、とうとう脱藩する。日本を一つにするには、幕府を倒すだけではなく、藩もまた潰さなくてはならない。藩内のクーデターな…

『竜馬がゆく(一)』

●司馬遼太郎『竜馬がゆく(一)』(文春文庫) 面白いことは面白い。幕末から維新にかけて、明確なイメージを思い描くことができる。職場で読むには好都合だろう。しかし、長すぎる。新聞小説ということで冗長な部分がでてくるのはやむを得ないが、小説作法…

『歴史でたどる領土問題の真実』

●保坂正康『歴史でたどる領土問題の真実 中韓露にどこまで言えるのか』(朝日新書) 問題となっている領土は、仮に直接的な軍事行動を伴わなかったとしても、帝国主義的領土拡大政策の中で獲得されたものなのかどうなのか。そこをしっかり見極める必要がある…

購入

看護師レベルでの救急外来の様子がわかる本と、病気や症状について書かれた本が欲しかったので、先日の投資に二冊追加した。来月あたり、病院のしくみと診療報酬の本を買って終わりにしたい。 持ち運びに便利な歴史参考書二冊は、職場で読むつもり。 気が早…

司馬遼太郎

ブックオフで司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を買ってみた。産経新聞では司馬の言葉に断片的に触れる機会はいくらでもあるが(今も司馬で日本史を読み解くコーナーがある)、ちゃんと作品を読んだことはない。宿直時のお供にちょうどよければ、ありがたい。繰り…

医学・看護学関係購入

現在の仕事に対する投資はこれで十分だろう。いや、もともと投資など必要ない仕事なので、趣味と言うべきかもしれないけど。 私の立場で、業務上、医学的・看護学的知識をひけらかすようなことがあってはならない。しかし、仕事は面白くもなんともない。退屈…

『海を見たことがなかった少年』

●ル・クレジオ『海を見たことがなかった少年 モンドほか子供たちの物語』(豊崎光一・佐藤領時訳、集英社文庫) 子供の心を失ってしまったせいだろうか、「モンド」以外の作品は読みにくくて仕方なかった(すべて同工異曲ではあるけど)。翻訳の言語感覚もあ…

課題三つ

先日、初めて自転車で職場に行ってみた。大きな川を超えて、土手を走るのは爽快だ。そろそろ汗まみれにならずに済みそうな季節になってきた。雪が降るまでは自転車で通おう。 雪が降ったらどうするか。バスの時間は信用できない。往路だけでも徒歩で行けるか…

伊藤整訳

And even on the Christmas roses the smuts settled persistently, incredible, like black manna from skies of doom. (p.9) そしてクリスマスの薔薇の上にすら、裁きの空から降ってくる黒いマナ(訳注 イスラエル人が荒野を旅行中に神から恵まれた食物)…

新書購入

新生活の課題は三つ。通勤方法、夜勤明けの睡眠、職場に持っていく本。 三つめの本に関しては、ひょっとして新書がいいんじゃないだろうかと思って、三冊買ってみた。保坂正康『歴史でたどる領土問題の真実』、孫崎亨『日米同盟の正体』、小出裕章『原発はい…