本の覚書

本と語学のはなし

2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ボキャビル/リーマン/アスペルガー

★植田一三『発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング』(ベレ出版) ★ローレンス・マクドナルド,パトリック・ロビンソン『金融大狂乱 リーマン・ブラザーズはなぜ暴走したのか』(峯村利哉訳,徳間書店) ★岡田尊司『アスペルガー症候…

『現代の金融入門』

●池尾和人『現代の金融入門』(ちくま新書) リハビリに読む本ではなかった。 新たな金融論テキストの標準となるものだという自負のもとに書かれており、決済機能や金融規制などにも言及されているが、もう10年以上前の著作であるし、金融危機を経た後でもあ…

真字『正法眼蔵』

第80則。禅の目標は悟ることだと考えられているが、実のところ悟りに安住していてはいけない。しかし、悟りを捨て去ったところに捉われるのはさらに危険である。ちなみに、ここに登場する趙州は「放下著」と言った人でもある。 【読】趙州、衆に示して云く、…

Revenge of the Lawn

リチャード・ブローティガン『芝生の復讐』より、「万聖節の宵祭は船で行く海原」の原文と藤本和子訳(新潮文庫)。 As a child I used to play at Hallowe’en as if I were a sailor and go trick or treating down to the sea in ships. (p.62) 子供のとき…

Revenge of the Lawn

リチャード・ブローティガン『芝生の復讐』より、「談話番組トーク・ショウ」の原文と藤本和子訳(新潮文庫)。 I’m sitting here now, baldingfatmiddleagedyearslater, listening to a talk show on the second brand-new radio of my life while shadows …

真字『正法眼蔵』

真字『正法眼蔵』を読んでいる。真字というのは、仮名に対して漢字で書かれているということだが、実はこれは道元の著作ではない。『宗門統要集』などから集めた三百の公案を並べただけで、コメントも何も付けていない。 写本に二系統ありそれぞれ違う目的が…

The Republic

生活に少しばかりの潤いを与えるには、たとえ何の役にも立たないにしろ、昔やっていた語学を復習する以上のことはない。 ラテン語、ドイツ語と来たので、今日はいよいよギリシア語。アクセント記号と気息記号のせいで入力が大変だし、関心のある人はほとんど…

Schön ist die Jugend

ドイツ語を読んでるなあと実感するポイントはいくつかある。やたらに子音が多い、名詞が必ず大文字で始まっている、ウムラオトの記号がある、動詞が分離する、副文の中で動詞が末尾に位置するなどなど、どれもドイツ語のごつい感じを演出している。 しかし、…

道元と新書

★『原文対照現代語訳・道元禅師全集6 正法眼蔵6』(春秋社) ★内田樹『日本辺境論』(新潮新書) ★奥村佳史『法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる』(光文社新書) ★砂田一郎『オバマは何を変えるか』(岩波新書) ★喜安朗『パリ 都市統治の近代』…

Confessions

学生時代にギリシア語を教えてくれたY先生はアウグスティヌスの『告白』をぜひ読むようにと言っていたけど、日本語訳(中公バックスの山田晶訳)を読んでも眠くなるばかりだった。先生が『告白』の何を愛したのかはよく分からなかった。 今ラテン語の原文で…

永平初祖学道用心集

【原】参学人、且半途始得、全途莫辞。祈禱祈禱。 【読】参学の人、且く半途にして始めて得たり、全途にして辞すること莫れ。祈禱、祈禱。 【訳】参学の人よ、学道という道は、半分の道のりまで来てはじめて、やっと〔真実の道とは何かが〕分かりはじめるも…

Confessions

成果があがるか否かに関わりなく、道元とギリシア語、ラテン語、ドイツ語には触れ続けるべきだ。久し振りにプラトンの『国家』、アウグスティヌスの『告白』、ヘッセの『青春は美わし』を読んだ。 miserere, ut loquar. (1.5) let me find grace to speak to…

学道用心集

せっかく全集を買っているので読まなきゃもったいない、というだけの理由で道元を読んでいる。 【読】識るべし、行を迷中に立つるは、証を覚前に獲るものなることを。 【訳】知るべきである、迷いの中で修業を始めることは、〔そのまま〕証(さと)りを、覚…

普勧坐禅儀

久々に道元も読んでみる。「普勧坐禅儀」は坐禅の方法を簡潔に書いた文章である。一般に誤解されているのではないかと思うので、ひとつ引用をしておく。 目は須(すべから)く常に開すべし。 【現代語訳】目は必ず常に開くようにせよ。(『全集14』17頁) 坐…

Bel-Ami

何であれ持続しやすいように変更する。それと極端にシンプルにすればいいというものではない。 フランス語はまた『ベラミ』。原文と岩波文庫の杉訳を書き抜いておく。 Puis, comme elle était fine, elle devina un peu ce qui se passait en lui, ce travai…

『アメリカ文学のレッスン』

●柴田元幸『アメリカ文学のレッスン』(講談社現代新書) もともとは病院の待ち時間に読むつもりだったのだけど、基本的に予約なのでほとんど進まずそのまま放置していた。精神的リハビリのために再開し、あんまり頭に入らないまま読了。感想は全く書けない…

NEWSWEEK

何をすべきかよく分からない状態が長く続いている。 リハビリのために NEWSWEEK から書き抜きをしておく。筆者の Matti Frei はドイツ出身で、BBC ワールド・ニュース・アメリカのアンカーをしている人。私はドイツ文学を専攻していたが、実はドイツのことを…