本の覚書

本と語学のはなし

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【振り返り】2024年3月

【読書】 ▼原典講読は以下のとおり。 ▼モンテーニュ『エセー』第1巻第47章「われわれの判断の不確実なことについて」の途中から第53章「カエサルの一句について」の途中まで。 ▼セネカ『生の短さについて』を終え、『心の平静について』の途中まで。 ▼プルタ…

【モンテーニュ】最高の地位にあったにもかかわらず一日五スー半【エセー1.52】

Essais, Les作者:Montaigne, Michel DeImprint unknownAmazonエセ- (2)作者:ミシェル・ド モンテーニュ白水社Amazon モンテーニュ『エセー』第1巻第52章「古代の人々の倹約ぶりについて」を読了する。 とても短い章。ヴィレの本では1ページにも満たない。 Il…

【モンテーニュ】雄弁が栄えたのは内戦の嵐に揺さぶられていた時期であった【エセー1.51】

Essais, Les作者:Montaigne, Michel DeImprint unknownAmazonエセ- (2)作者:ミシェル・ド モンテーニュ白水社Amazon モンテーニュ『エセー』第1巻第51章「ことばの空しさについて」を読了する。 L'eloquence a fleury le plus à Rome. lors que les affaires…

【セネカ】若者のように未来への希望を次々に抱懐し【生の短さ】

Moral Essays, Volume II: De Consolatione ad Marciam. De Vita Beata. De Otio. De Tranquillitate Animi. De Brevitate Vitae. De Consolatione ad Polybium. De Consolatione ad Helviam (Loeb Classical Library)作者:SenecaHarvard University PressAm…

エセー4/モンテーニュ

エセー〈4〉作者:ミシェル・ド・モンテーニュ白水社Amazon 第2巻第12章「レーモン・スボンの弁護」のみを収録。 モンテーニュはレーモン・スボンの『自然神学』という本を翻訳したことがある(1569年刊行)。私は持っていないが、入手は可能のようである。 …

【モンテーニュ】笑う能力がある(リジブル)だけにおかしなもの(リディキュル)【エセー1.50】

Essais, Les作者:Montaigne, Michel DeImprint unknownAmazonエセ- (2)作者:ミシェル・ド モンテーニュ白水社Amazon モンテーニュ『エセー』第1巻第50章「デモクリトスとヘラクレイトスについて」を読了する。 「心が事物にまとわせたものについて、われわれ…

【モンテーニュ】悪徳も美徳も力強い精神に発する【エセー1.49】

Essais, Les作者:Montaigne, Michel DeImprint unknownAmazonエセ- (2)作者:ミシェル・ド モンテーニュ白水社Amazon モンテーニュ『エセー』第1巻第49章「昔の習慣について」を読了する。 主として古代ローマの様々な習慣、とりわけかなり享楽的なそれが紹介…

【モンテーニュ】カエサルはスウェーデン族について【エセー1.48】

モンテーニュ『エセー』第1巻第48章「軍馬について」を読了する。 主に馬の話である。鉄砲などという飛び道具には信頼を置かず、いずれ廃れるのではないかという予想もしている。モンテーニュは、鉄砲が日本に伝来した頃の人である。 Essais, Les作者:Montai…

ガリア戦記/カエサル

ガリア戦記 (岩波文庫 青407-1)作者:カエサル岩波書店Amazon 7年にわたるガリアでの戦闘の記録。淡々と客観的に描かれており、カエサル自身について語るときも、「わたし」ではなく「カエサル」と三人称が使われる。 弁論にも長けていたと言われるが、文筆家…

【モンテーニュ】賛成だとか反対だとか話す権利はたっぷりある【エセー1.47】

Essais, Les作者:Montaigne, Michel DeImprint unknownAmazonエセ- (2)作者:ミシェル・ド モンテーニュ白水社Amazon モンテーニュ『エセー』第1巻第47章「われわれの判断の不確実なことについて」を読了する。 戦場での判断について、同じ戦略が正反対の結果…

メノン/プラトン

メノン (岩波文庫 青 601-6)作者:プラトン岩波書店Amazon 想起説は登場するが、イデア論には言及されない。中期著作群へあと一歩というところまできて、模索している作品のようである。 それにしても、私にはどうもプラトンの対話篇が肌に合わない気がする。…

エセー3/モンテーニュ

エセー 3作者:ミシェル・ド モンテーニュ白水社Amazon 『エセー』第2巻第1章「われわれの行為の移ろいやすさについて」から第11章「残酷さについて」を収める。 第4章「用事は明日に」では、アミヨによるプルタルコスの翻訳に触れている。 彼の翻訳のいたる…