本の覚書

本と語学のはなし

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

振り返る6月

【読書】 ▼短歌のアンソロジーをぽつぽつと。万葉集は犬養孝の入門書に寄り道。どうなるか分からないけど、漢詩を再開してみた。 ▼和書はキリスト教中心に戻していく。 ▼アラム語文法を復活させた。アウグスティヌスのラテン語はやったりやめたりだが、復活…

詩のたのしさ/嶋岡晨

詩のたのしさ (講談社現代新書 484)作者:嶋岡 晨メディア: 新書 作るという観点から読む。 詩は私の考えていた以上に思想を盛る器であるのではないか、というのが一番の発見であった。そして、そうでなくてはならないだろうと思う。私は抒情的なものを長々と…

イエス/R. ブルトマン

イエス作者:ブルトマン,R.発売日: 1963/01/01メディア: 単行本 イエスの伝記のようなものは一切なくて、そもそもそういうものの不可能性から出発している本である。 ブルトマンはマールブルクでハイデガーの同僚であった人で、共同の演習をしたこともあるそ…

短歌レトリック入門/加藤治郎

短歌レトリック入門―修辞の旅人作者:加藤 治郎メディア: 単行本 前半は短歌で使われるレトリックの説明。写実の時代の終焉とともに、レトリックは復権を果たした。現在は修辞の花盛りであるようだ。 伝統的なものでも現代短歌の中での使われ方は必ずしも伝統…

購入6-3 短歌誌

短歌研究 2015年 07 月号 [雑誌]発売日: 2015/06/20メディア: 雑誌 普通に入手可能な短歌の雑誌というと、「NHK短歌」「短歌」「短歌研究」「歌壇」「現代短歌」とあるようで、それぞれ一度は手にしてみたいと思っている。 「NHK短歌」と「短歌」は以前購入…

ヴェルレーヌ詩集/堀口大學訳

ヴェルレーヌ詩集 (新潮文庫)作者:ヴェルレーヌ発売日: 1950/11/28メディア: 文庫 いつも思うのだが、堀口大學の訳が好きでない。日本語として、文法的に、語法的に正しいのだろうかと不審のところもあるが、それよりも、なんか俗謡っぽくなるんだなあ。 た…

「物語」のつくり方入門 7つのレッスン/円山夢久

「物語」のつくり方入門 7つのレッスン作者:円山夢久発売日: 2012/05/31メディア: 単行本(ソフトカバー) 今日届いたのだが、あっという間に読み終わってしまった。エンターテインメント系の物語を書きたい人のための入門書。 確かにこれを読めば、物語の構…

購入6-2 創作のために

物語のために 「物語」のつくり方入門 7つのレッスン作者:円山夢久発売日: 2012/05/31メディア: 単行本(ソフトカバー)旺文社 国語辞典 小型版発売日: 2005/10/02メディア: 単行本 『「物語」のつくり方入門 7つのレッスン』はエンタメ用の入門書。タネ本を…

穴 HOLES/ルイス・サッカー

穴 HOLES (講談社文庫)作者:ルイス・ サッカー発売日: 2006/12/15メディア: 文庫 物語全体の感想は以前読んだ時と変わらない。グリーン・レイク・キャンプでの最後もあっさりしすぎており、エピローグとして載せられた後日譚も、ハッピーエンドが嫌いという…

新版 古今和歌集 現代語訳付き/高田祐彦訳注

新版 古今和歌集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)発売日: 2009/06/25メディア: 文庫 やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざしげきものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものにつけて言ひ出せるなり…

50歳からはじめる俳句・川柳・短歌の教科書/坊城俊樹・やすみりえ・東直子監修

50歳からはじめる俳句・川柳・短歌の教科書発売日: 2012/08/01メディア: 単行本 俳句、川柳、短歌がそれぞれに同じような構成で語られるので、共通点、相違点を比較しやすい。短詩型に挑戦してみたいが、どれが自分に合っているだろうかと選択に迷っている人…

購入6-1 花と歌

日本の生きもの図鑑発売日: 2001/10/24メディア: 単行本 木も花も虫も鳥も哺乳類も鳥も、この一冊に収められている。ということは十分な種類が十分に説明されているわけではないのだけど、私はここから始めなくてはならないほど、自然に疎い。 散歩で見かけ…

鑑賞 日本の名歌/『短歌』編集部編

角川短歌ライブラリー 鑑賞 日本の名歌発売日: 2013/06/22メディア: 単行本 テーマごとに分類されたアンソロジーで、簡単ではあるけど鑑賞の言葉がついている。1ページに2首は載っているので、これ1冊で500首以上の秀歌に触れることができる。 テーマは、自…

旧約聖書Ⅵ 列王記/旧約聖書翻訳委員会訳

旧約聖書〈6〉列王記発売日: 1999/03/26メディア: 単行本 ダビデの晩年から、ソロモンの栄華と死後の王国分裂、ユダとイスラエルそれぞれの滅亡、捕囚までを描いた歴史書であるが、ヘブライ語聖書の中ではヨシュア記から列王記までが前の預言書として扱われ…

マイ国家/星新一

マイ国家 (新潮文庫)作者:新一, 星発売日: 1976/06/01メディア: 文庫 半分くらい読んだところでもう飽きてきたのだけど、後半の方が面白い作品が多くて助かった。「友情の杯」のようにすっきりしたオチがなくて、謎のまま終わるものもあって驚いた。一番いい…

札束みたく束ねる 振り返り

1. 青 俺が自転車で向かったショッピングセンターの壁 煤けた青の 「自転車で俺が向かった」と語順をちょっと入れ替えれば無理なく五七五七七のリズムに乗るところですが、なんだかそれではいけないような気がしました。 青空のもと、曇り空のもと、雨空のも…

今はじめる人のための短歌入門/岡井隆

今はじめる人のための短歌入門 (角川ソフィア文庫)作者:岡井 隆発売日: 2011/09/23メディア: 文庫 現代短歌界の重鎮による入門書。短歌は決して簡単なものではないことを力説する。 内容は少し古めかしいようなところもあるし、例歌もあまり新しいものは出て…

札束みたく束ねる ―【第4回】短歌の目―

自然を愛する心、家族を愛する心がないと、さすがに短歌を詠むのはきびしい。 6月のお題 1. 青 俺が自転車で向かったショッピングセンターの壁 煤けた青の2. 梅 もぎたてのにこげおひたる梅かたし むめかじりたしあをき毒ある3. 傘 雨傘がゴルフクラブであっ…