本の覚書

本と語学のはなし

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

研修開始

28日の夕方から29日の朝まで宿直をする。思ったより仕事はあるけど、深夜には横になることもできる。本も読めるかもしれない。救急当番の日はそんな余裕はないらしいが、慣れてしまえば楽な仕事だろう。年配の人たちでも十分回していけるのだ。 問題は夜勤明…

美徳

かかることを悔しなどはいふにやあらむ、さりとていかがはせむ、我はさりとも心長く見はててむと思しなす御心を知らねば、かしこにはいみじうぞ嘆いたまひける。(末摘花10) 「このようなことを臍を噛むなどというのだろうか、しかし、だからといって、どう…

眼鏡

眼鏡を受け取りに行ってきた。黒くて四角いフレーム。高校生のとき西田幾多郎みたいな丸メガネを買って以来、初めてのイメージチェンジだ。これまで世間に遠慮し妥協しすぎた顔を作ってきたのではないか。世の中に繋がれた綱はだいぶん細くなった。元来の情…

始まり

塾の勤務は昨日でおしまい。最後の最後までひやひやの綱渡りだった。よくこんな調子で一年以上続けられたなあと感心する。授業の後は飲み会。彼らの狂態を見て確信した。彼らに馴染めなかったのは、決して私の責任ではない。 心残りと言えば、あるベテランの…

あと一日

昨日で個別指導は終了。シーシュポスの苦しみ。塾講師は結局のところ人気商売なので、生徒と仲良く出来さえすればいいのかもしれないが。 明日のクラス授業で講師稼業を廃業する。深夜の飲み会が終われば、私はビル警備の人になる。もう授業の準備に追われる…

『ダブリナーズ』

●ジョイス『ダブリナーズ』(柳瀬尚紀訳、新潮文庫) カトリックだった頃がある(今でもそうかもしれないし、そうでないかもしれない)。訳あって、椎名町駅から数分の豊島教会のミサに与ったことが二度ある。アイルランドの聖パトリックを保護聖人とする教…

届いた

ジュリアン・バーンズ『フロベールの鸚鵡』(白水Uブックス)が届く。評論ではなく小説らしい。読むのは『サラムボー』と『ブヴァールとペキュシェ』の後でよいけど、すでに絶版になっているので、早めに入手しておいた。 塾は今週が1学期の最終週。それぞれ…

買い物

先日アマゾンで買ったもの。古本、黒いタオル、靴。 古本はジュリアン・バーンズ『フロベールの鸚鵡』。明日あたり届く。 黒タオルはアイマスクの代わり。立体アイマスクでは仰々しすぎるし、寝返りも打てそうにないので。もともと白タオルで寝ていたわけだ…

「末摘花」開始

和歌ばかりまとめて読むのはつらいので、源氏に戻る。 かの空蝉を、もののをりをりには、ねたう思し出づ。荻の葉も、さりぬべき風の便りある時は、おどろかしたまふをりもあるべし。灯影の乱れたりしさまは、またさやうにても見まほしく思す。おほかた、なご…

『紋切型辞典』

●フローベール『紋切型辞典』(小倉孝誠訳、岩波文庫) 奇妙な意図から構想された辞典なので、先ずは解説から読み始めるのがいい。フローベール自身の手紙を引用すると、「人前でこれさえ言えばよい、それだけで礼儀をわきまえた感じのよい人間になれる、と…

新生活の準備

完全に夜型の生活が定着しそうなので、24時間の書き込みができる手帳を探してみたが、季節外れで売っていない。年末まで待たなくてはならない。 役所時代に自作したエクセルの予定表を手直ししてみた。宿直の仕事をフルにした場合の1か月の生活をシミュレー…

ようやく合格

今朝ビル会社から電話が来て、合格を告げられた。夜間を主とする施設警備だから、きっと人間関係が極端に苦手な人が多く応募したのだろうと思う。現在仕事に就いている人たちも、あまり喋らないと聞いている。しかし、警備とはいうものの、実態は大病院の宿…

求人票

書類選考で不合格になった工場は、今でも求人を出し続けている。 面接の結果不合格となった施設は、最近同じ求人を再び出した。前回は単に「事務員」の募集であったが、今回はそこに「兼介護職員補助」をくっつけた。恐らくこの前採用された人は、介護の仕事…

『三つの物語』

●フローベール『三つの物語』(山田九朗訳、岩波文庫) 「まごころ」はフローベールが幼い日々を回想しつつ書いたもの、「聖ジュリヤン伝」はルアーブル大聖堂のステンドグラスを文章に書き起こしたもの、「ヘロヂアス」は聖書のサロメの踊を古代史の史実に…