本の覚書

本と語学のはなし

居酒屋

 La grande Clémence proposa du lapin ; mais on ne mangeait que de ça ; tout le monde en avait par-dessus la tête. Gervaise rêvait quelque chose de plus distingué. Mme Putois ayant parlé d’une blanquette de veau, elles se regardèrent toutes avec un sourire qui grandissait. C’etait une idée ; rien ne ferait l’effet d’une blanquette de veau. (p.248)

 のっぽのクレマンスが兎の肉を提案した。しかし、それならいつも食べているので、みんなは飽いていた。ジェルヴェーズはなにかもっと高級なものを考えていた。ピュトワのおかみが子牛のブランケットを言いだしたので、みんなはこらえきれない笑いを浮かべて、顔を見あわせた。これは名案だ。子牛のブランケットほど、うってつけのものはない。(p.266)


 ジェルヴェーズの聖名祝日*1の食事をどうするか、みんなで頭を悩ませているところ。
 下層の職人階級ではうさぎばかり食べていたらしい。原文を文字通り取れば、むしろそれしか食べていなかった。


 『枕草子』はもう半分読んだのに、『居酒屋』は今月末にならないとそこまで到達しそうにない。

*1:翻訳ではジェルヴェーズの誕生日としているが、その6月19日は殉教者・聖ジェルヴァジオの祝日である。ジェルヴェーズが誕生日の聖人にちなんで名づけられたということがどこかに書いてあるのか、一般的にそういうものなのか、日本にない風習は分かりにくいのであえて誕生日と訳したのか?