本の覚書

本と語学のはなし

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

新生活

勉強はずっと続けていかなくてはならないが、これで一区切り。仕事を離れての目標を書いておく。 と言いつつ、実は知的な関心の範囲がいつの間にか恐ろしく狭まっている。何をするではなくて、先ず頭に浮かぶのが「無理をしない」ということ。そうなると出来…

『トライアル現場主義!』

●近藤哲史『トライアル現場主義! 売れる翻訳者へのショートカット』(丸善) 翻訳会社に登録しようとするときは、トライアルと呼ばれる翻訳試験を受けることになるわけだが、この本は実際に採点をしている人が現場の視点からアドバイスをするという画期的な…

『日経新聞の「本当の読み方」がわかる本』

●小宮一慶『日経新聞の「本当の読み方」がわかる本 ニュースを関連付ければ知識に変わる』(日経BP社) 『日経新聞の数字がわかる本』*1では景気指標の説明が中心であったが、今回は、数字を確認しながら実際の記事を読む応用編。仮説を立てて予測をしたり、…

『日本人の英語』

●マーク・ピーターセン『日本人の英語』(岩波新書) 日本人が間違えやすいところを重点的に解説してくれる。とりわけ前半の冠詞、名詞の数、前置詞の説明から何も得るところがない日本人など存在しないのではないか。 著者はある日、アメリカ留学中の日本の…

購入

★小宮一慶『日経新聞の「本当の読み方」がわかる本』(日経BP社) 久し振りに本屋に行った。ツイッター関係の本を立ち読みしたけど、買ったのはこちらの本。『日経新聞の数字がわかる本』の続編になる。 来月下旬、日経新聞の電子版が創刊される。*1紙で購読…

Bonjour tristesse

どこまで読んだかわかるように鉛筆で入れた小さな印を、いくつも通り過ぎていく。『悲しみよこんにちは』を前回途中まで読んだのは、大きな地震に翻弄された頃だった。*1時間がないのに興味があるものにはすべて手を出していた頃でもあったから、*2フランス…

購入

★Brautigan『Trout fishing in America』(Vintage) ★Zola『L’Assommoir』(Le Livre de Poche) ブローティガン『アメリカの鱒釣り』とゾラ『居酒屋』。 ブローティガンはタイプライターで打ったみたいなフォント。ゾラはサガンの次の仏文学に予定している…

『An Artist of the floating World』

●Kazuo Ishiguro『An Artist of the floating World』(VINTAGE) 戦意高揚の画風で名をなした画家が、戦後、娘の見合いを機に過去を振り返る一人称の物語。一応は過去の過ちを部分的に認めながらも、信念を持って成し遂げたことであると自己弁護をし自己肯…

購入

★LE MONDE diplomatique, Février 2010 ★藤井智比佐『図解入門ビジネス 決算書 読解力の基本が身につく88の極意』(秀和システム) ディプロはやっと元が取れるくらい読めるようになった。和書は当面、金融とか会計とかが中心になるだろう。 通信講座は終わ…

通信講座終了ほか

徹夜で通信講座の課題を仕上げ、今朝投函してきた。これで全て修了。半分は遊んで暮らすための口実であって、効能に期待をしていたわけではなかったけど、やってよかった。講座の内容が素晴らしいとか、添削が丁寧であるとかいう理由ではない。翻訳を通じて…

ツイッターとF君

ツイッターの楽しさが皆目分からないので、参考にしようとフォローの鎖をいくつか辿ってみたら、学生時代に一番親しくしていたF君のページに行き当たった。ベトナムで会社経営に乗り出し、頭は金髪になっていた。哲学を専攻していた頃の関心は保ちながらも、…

An Artist of the floating World

『浮世の画家』も残すところ、あと50ページ。読むスピードを倍にするという目標は未だ全く達成できていないが、三倍くらいまでの伸びしろは十分にあるだろう。 the streets were not so filled with the noise of traffic, and the factories had yet to tak…

ツイッター

とりあえずツイッターに登録してみたものの、まだ何もつぶやいていない。基本的にはコミュニケーションのためのツールというのが第一義だろうから、訳もなくブログのコメント欄を閉じているような対人恐怖症の人間には向かないかもしれない。「また雪が降り…

An Artist of the floating World

オリンピックを見るためではないが、すっかり昼夜逆転の生活が続いている。 『浮世の画家』から。翻訳はハヤカワ epi 文庫の飛田茂雄のもの。 I wasn’t exaggerating when I told you Miss Suzuki was responsible for my life. She’s been quite crucial on…

An Artist of the floating World

このところの課題といえば、英仏文学の原典講読を一般読書として独り立ちさせること。最近は、ニューズウィークを読む日は仏文学、ディプロを読む日は英米文学というふうに、一日交代でメニューを変更してきた。読書というより、語学や翻訳の勉強という意味…

『道元禅師の人間像』

●水野弥穂子『道元禅師の人間像』(岩波セミナーブックス) 古い道元の伝記である『永平寺三大尊行状記』と『伝光録』と『建撕記(けんぜいき)』を三つ並べてふんだんに引用しながら、道元の生涯をたどる。いくつか気になるところをまとめてみる。 (1) 父親…

道元ブーム

道元がマイブームになりつつある。水野弥穂子の『道元禅師の人間像』(岩波セミナーブックス)を読み始めた。昨日読了した『道元禅師』の鏡島元隆は新全集で『永平広録』を担当し、水野弥穂子は『正法眼蔵』を担当している。いずれも日本を代表する道元学者…

『道元禅師』

●鏡島元隆『道元禅師』(春秋社) 著者は宗門の学者なので、やや護教的な響きもないではないし、バランスを重視している感もなくはないが、主な論点を整理するためには非常にいい本だ。 特に重要なのは、歴史的には道元の俗系と鎌倉行化の問題、書誌学的には…

シルヴィー・テステュー

ペーパーバックを買う時は既に翻訳を持っている有名な作品を選択することが多いのだけど、スピード重視で読み飛ばしたいこともあるだろうと、時には作者が誰だか知らないようなものに手を出したりする。 だが、そんな本にも翻訳はあるかもしれないし、図書館…

Bonjour tristesse

今日読み始めたもの。『道元禅師全集11 永平広録2』(春秋社)とフランソワーズ・サガンの『悲しみよこんにちは』(POCKET)。 『悲しみよこんにちは』の出だしを書き抜いておく。翻訳は朝吹登水子(新潮文庫)。 Sur ce sentiment inconnu dont l’ennui, la…

『道元禅師全集10 永平広録1』

●『原文対照現代語訳・道元禅師全集10 永平広録1』(鏡島元隆訳注、春秋社) 『永平広録』全十巻の内、巻一から巻三までを収録する。 原文は漢文で、中国の伝統的な語録の体裁を取っている。その分、日本語で書かれた『正法眼蔵』より難しいのかと思っていた…

『Bel-Ami』

●Guy de Maupassant『Bel-Ami』(POCKET) Puis, relevant les yeux, il découvrit là-bas, derrière la place de la Concorde, la Chambre des députés. Et il lui sembla qu’il allait faire un bond du portique de la Madeleine au portique du Palais-B…

永平広録第三

通信講座の課題を訳出し終えた。今後の予定。返却された以前の答案用紙を見直す。今回の課題の推敲をして、投函する。翻訳会社トライアルのコツを伝授する本を読む。履歴書を作成し、作戦を練って、翻訳会社にコンタクトを取る。必要に応じてアルバイトを検…

『グリーン資本主義』

●佐和隆光『グリーン資本主義 グローバル「危機」克服の条件』(岩波新書) 昨年のリーマン・ショックを契機に、世界同時不況がはじまった。今、同時不況には「底入れ感」が漂いはじめたものの、グローバルなケインズ問題と私が呼ぶ「グローバルな規模での生…