本の覚書

本と語学のはなし

居酒屋「うさぎの話2」

Voulez-vous parier ! le mois prochain, ils inventeront une autre histoire... Ça explique pourquoi ils bouchent leur fenêtre, quand ils mangent un lapin. N’est-ce pas ? on serait en droit de leur dire : " Puisque vous mangez un lapin, vous pouvez bien donnez cent sous à votre mère." Oh ! ils ont du vice !... Qu’est-ce que vous seriez devenue, si je ne vous avais pas prise avec nous ? (p.253-4)

きっとね! 来月になるとまた別の話をこしらえるから……。あの人たちが兎を食べるとき、どうして窓をふさぐかこれでわかるわ。「兎を食べてるんだから、おっかさんに百スーくらいけっこうあげられるわ」って言われたってしかたないもの。そうでしょ。まあ! なんて根性がわるいんだろう…… あたしんところへひきとらなかったら、おっかさん、あんたもどうなってたかしら (p.273)


 吝嗇なロリユ夫妻はごちそうを食べるときには、まるで盗んできたものをむさぼるように、部屋を閉め切って人を寄せ付けなかった。その例としてうさぎが挙げられているということは(他には、近所の人に何を食べたか知られぬよう、牡蠣の殻をわざわざ下水口に捨てに行ったことも書かれている)、先日書いたように庶民は普段からうさぎばかり食べていたのではなく、*1すこし贅沢をするときには比較的安価なうさぎをチョイスする傾向があったということのようだ。訂正しておく。


 そう言えば、フランスの市場で皮をはいだうさぎが、丸ごとだったり、上下に切り分けられたりして売られているのを見たことがある。*2カフェでうさぎ料理を食べたこともあるけど、鶏肉みたいだった。*3