本の覚書

本と語学のはなし

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

振り返る3月

3月に読んだ本。 *印が付いているのは途中でやめた本。 (1) 詩ってなんだろう/谷川俊太郎:http://d.hatena.ne.jp/k_sampo/20130301/p1 (2) 倚りかからず/茨木のり子:http://d.hatena.ne.jp/k_sampo/20130312/p1 (3) 坂の上の雲(七)/司馬遼太郎:http…

完全マスター 中国語の文法/瀬戸口律子

日本の高校を卒業していれば、中国語の初級文法は、習わなくても既に半分くらい理解しているようなものだ。会話練習をしながらちまちま文法を拾うよりも、一気に文法を終えてしまってから、それぞれの目的に沿って学習する方が効果的ではないかという気がす…

日本の歴史1 神話から歴史へ/井上光貞

『坂の上の雲』を終え、司馬節にはちょっと満腹感を覚えたので、これから職場では中公文庫の歴史シリーズにしようと思ったのだ。先ずは日本の神話を読んで、『坂の上の雲』の戦争の記述よりよいペースで進んで、内容も甚だ面白く、これは行けると思った。だ…

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犬養孝『万葉のいぶき』と『万葉十二カ月』。万葉のいぶき (新潮文庫)作者:犬養 孝発売日: 1983/06/25メディア: 文庫万葉十二ヵ月 (新潮文庫)作者:犬養 孝メディア: 文庫 『万葉集』は小学館の全集で読んでいる。注釈と現代語訳はもちろん便利。人名や地名一…

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犬養孝『万葉の人びと』。懐かしい。中学の時、初めて『万葉集』に触れたのが、このやさしい語り口調の本でだった。当時は古典文法を知らなかったけど、それでもおぼろに知る古語とはまた別の響きに、不思議と郷愁を覚えた。 一番好きだったのは 石(いは)…

宝慶記/道元

全集の第十六巻は『宝慶記』と『正法眼蔵随聞記』を収めるが、前者のみ読んだ。後者は途中でやめる。どうも今は道元を読む気分ではない。 宝慶記 『宝慶記』は宋留学時に師の如浄と交わした問答の記録。道元死後、弟子の懐奘によって発見された。まだ先を書…

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一ノ瀬恒夫『ドイツ詩学入門』。大学書林の対訳叢書と同じ新書サイズ。ドイツの詩は形式の上から見ると、音の強弱を組み合わせたリズムと、行末の響きを合わせる脚韻によって成立することが多い。それを分析するのが詩学である。 訳してしまえば他愛のない詩…

坂の上の雲(八)/司馬遼太郎

ようやく全巻読了。侵略戦争に対する国民戦争として、日本は勝つべくして勝った。そう言えなくもないかも知れないが、やはり負ける可能性の方が高い戦争だったのではないだろうか。 単行本の第六巻(文庫版は全八巻だが、単行本は全六巻)に付されたあとがき…

中国語

堪え性がないので、中国語の文法書を読み始めた。瀬戸口律子の『完全マスター 中国語の文法』。初学者用テキストを持っているつもりだったのだけど、どうやら売り払ってしまったらしい。完全マスター中国語の文法作者:瀬戸口 律子発売日: 2003/06/20メディア…

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石川忠久『新漢詩の世界』と『新漢詩の風景』。結局新品を買い直した。日本語、中国語、唐代復元音が聞ける貴重なCDつき(すべての詩が収められている訳ではない)。日本語読みだけでは詩のリズムを理解することはできない。 『中国名詩選(上)』を中断し、…

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吉田加南子『フランス詩のひととき』、野村修『聞いて読むドイツの詩』。フランス詩、ドイツ詩ともに、岩波文庫の名詩選をいったん中断して、CDつきの本で音を確かめながら詩を鑑賞をすることにした。ゲーテの詩なら、学生の時、郁文堂の『ゲーテ詩集』をカ…

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和田博文ほか『近現代詩を学ぶ人のために』。日本の近現代詩が私にいかなる関係があるのか、未発見のままである。近現代詩を学ぶ人のために発売日: 1998/04/01メディア: 単行本 鷗外の『阿部一族』を読んで気分が高ぶる。

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詩を勉強してみようということで、言葉の歴史、詩の歴史、詩法などの本を購入した。 小林標『ラテン語の世界』、ラテン語そのものを大いなる遺産と考え、その諸相を紹介する。橋本功『英語史入門』、本当の古英語だの中英語だのを読むつもりはない。表も多く…

一本の茎の上に/茨木のり子

公務員試験対策の講師に応募しようか迷ったが、決して知識の有無が良い講師と悪い講師の境目となることはないのだと思いとどまる。それに、私が公務員志望者にアドバイスできることといえば、「自分が盗人でないか常に疑いなさい」ということくらいしかない…

坂の上の雲(七)/司馬遼太郎

奉天の会戦、ロシア側ではクロパトキンにより不可解な退却が命じられる。バルチック艦隊は長い月日をかけ、ようやく宮古島付近を通過し、対馬へ向かう。決戦は次の最終巻へと引き継がれる。 さっぱり職場での読書がはかどらない。繰り返しと迂回の多い戦争の…

倚りかからず/茨木のり子

今月は読書がはかどらない。先月末から始めた七つの言語で詩を読む活動が、思いの外重荷になっているのだ。負担を軽減することにした。第一に、歴史参考書はやめる。第二に、道元には力を入れない。第三に、雑誌は読まない。第四に、縛りのきついローテーシ…

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呉茂一編訳『増補 ギリシア抒情詩選』。先日買った『ギリシア・ローマ抒情詩選』*1と重複するものも、もちろん多数ある。しかし、元の詩が同じでも訳文は必ずしも同じではない。嬉しいのは、抒情詩選と言いながら、ピンダロスの祝勝歌まで採られていること。…

『赤と黒』を始める

セリーヌの『夜の果てへの旅』がまったくはかどっていないので、気分転換にスタンダールの『赤と黒』を読むことにした。実は十年くらい前に一度挫折しているのだけど、今見ると、セリーヌの後ということもあるけど、至極まっとう、平易なフランス語であって…

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確定申告書を郵送。いずれ税金の過払い分が還付される。ブックオフで105円の棚から詩集を物色する。与謝野晶子『みだれ髪』、高村光太郎『智恵子抄』、『吉野弘詩集』、茨木のり子『倚りかからず』(これだけ350円)、山田かまち『17歳のポケット』、『中学…

第二文型の動詞の過去分詞

久し振りに語学の話。『チャタレイ夫人』の原文と伊藤整訳。 Ravished ! How ravished one could be without even being touched. Ravished by dead words become obscene, and dead ideas become obsessions. (p.80) 犯されている! 人間は触られることがな…

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呉茂一編訳『ギリシア・ローマ抒情詩選』。詩を訳すのは難しく、ましてギリシアやローマとなれば統語論的にも一層困難である。半ば以上は別物と割り切って読むべきだろう。今はホメロスやウェルギリウスしか読まないが、いずれ抒情詩にも原文で取り組む日が…

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茨木のり子『一本の茎の上に』。エッセイ集。原体験としての森鷗外についても書かれている。五十歳のころから始めた韓国語のことも書かれている。一本の茎の上に (ちくま文庫)作者:茨木 のり子発売日: 2009/07/08メディア: 文庫 古本も大抵アマゾンで買って…

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責任編集窪田般彌『フランス詩大系』。フランス語の原詩が載っているかと思ったら、訳詩のみの膨大なアンソロジーだった。フランス詩大系発売日: 2007/06/01メディア: 単行本

詩ってなんだろう/谷川俊太郎

小学校の国語教科書に危機感を覚えて、谷川俊太郎が作った、やさしい詩の入門書。詩ってなに? という問いには詩で答えるしかない、というのが、谷川の考えだ。わらべうた、いろはうた、ことわざ、なぞなぞ。音だけでも訴えかける力がある。アクロスティック…