本の覚書

本と語学のはなし

存在の彼方へ


 レヴィナスの『存在の彼方へ』(講談社学術文庫)はなかなか進まないし、よく分からない。しかし、時々抜き書きをしていこうと思う。

〈語ること〉の自己背信を代償として、すべては現出する。語りえないもの(indicible)さえが現出する。だからこそ、語りえないものを洩らすことも可能となるのだが、語りえないものの秘密を漏洩すること、おそらくはそれが哲学の使命にほかならない。(31頁)