本の覚書

本と語学のはなし

普勧坐禅儀


 久々に道元も読んでみる。「普勧坐禅儀」は坐禅の方法を簡潔に書いた文章である。一般に誤解されているのではないかと思うので、ひとつ引用をしておく。

目は須(すべから)く常に開すべし。
【現代語訳】目は必ず常に開くようにせよ。(『全集14』17頁)


 坐禅中、目を瞑ってはいけないのである。注釈を見ると、如浄(道元の師)は習熟した者なら目を閉じてもいいと言ったらしいが、道元はこれを認めていない。臨済宗の方の本を見ても、目は半開きぐらいにして決して瞑ってはならないと書いてある。