本の覚書

本と語学のはなし

シルヴィー・テステュー


 ペーパーバックを買う時は既に翻訳を持っている有名な作品を選択することが多いのだけど、スピード重視で読み飛ばしたいこともあるだろうと、時には作者が誰だか知らないようなものに手を出したりする。
 だが、そんな本にも翻訳はあるかもしれないし、図書館に置いてあるかもしれない。そう思って調べてみると、いくつかはアクセス可能であることが分かった。


 シルヴィー・テステュー(Sylvie Testud)の『Gamines』という作品に翻訳はないようだ。しかし、作者については面白いことが分かった。
 本業は女優(ペーパーバックでは comédienne と紹介されているが、日本語のコメディアンとは全く意味が違う)。1999年、『点子ちゃんとアントン』というケストナー原作のドイツ映画で、点子ちゃんのフランス人家庭教師役をやっている。DVDを持っているので何度も見ているが、一番好きなのが彼女であった。2年前の1997年に同じ監督の『ビヨンド・サイレンス』という映画に出るため、ドイツ語を習得したらしい(この映画でドイツ映画賞最優秀女優賞を獲得している)。
 2008年には『サガン悲しみよこんにちは―』でサガン役を演じている。画像で検索してみると、メイクのおかげもあるだろうけど、サガンにそっくりだ。
 ここにきてようやく気がついたが、ペーパーバックの表紙に写っているのはシルヴィー・テステュー本人のようだ(現在はタイトル通りの子どもらの写真に変わっている)。会話中心で読みやすそうに見えただけではなく、表紙にも購買意欲をそそられたのは間違いない。
 『点子ちゃん』をまた見たくなった。『サガン』にも少し興味がある。作家としてどうだかは分からない。勢いで読むべきもののような気もする。なにせ「!」が多用されているのだ。彼女、同級生だった(席を並べて勉強したのではないけど)。こういう冷たそうな顔が好きだということを再認識した。


Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A5%E3%83%BC