本の覚書

本と語学のはなし

An Artist of the floating World


 このところの課題といえば、英仏文学の原典講読を一般読書として独り立ちさせること。最近は、ニューズウィークを読む日は仏文学、ディプロを読む日は英米文学というふうに、一日交代でメニューを変更してきた。読書というより、語学や翻訳の勉強という意味合いの方が強かったのだ。数日前から再び、ニューズウィークとディプロは毎日読み、英米文学と仏文学は並行させず、一冊読み切るまで一方だけに集中して取り組むことにした(長編の場合は分割してもいい)。何度目かの試みになるけど、これを軌道に乗せるためには、せめて現在の倍のスピードで読めるようにしなくてはいけない。
 そんなわけで、サガンの『悲しみよこんにちは』は一回読んだだけで中断しており、暫らくカズオ・イシグロの『浮世の画家』だけを進めていく(途中、適当に和書を挟むこともあるかもしれないが)。もうすぐ半分。今月中には終わらせたい。

Ichiro’s hand was clutching at my arm, and when I glanced at him his other hand was holding the raincoat in place as tightly as possible. (p.82)

一郎の片手はわたしの腕にしがみついており、ちらりと見ると、もう一方の手はできるだけ隙間のできないようにレインコートを押さえていた。(122頁)