本の覚書

本と語学のはなし

『夜の果てへの旅』開始


 次はセリーヌの『夜の果てへの旅』。冒頭部分を読む限り、それほど難しいフランス語ではないようだが、活きのよい口語的な表現には苦しめられるかもしれない。
 中公文庫の生田耕作訳と原文を比べるのも、楽しい作業になりそうだ。最初の段落の最後の文を、一例として挙げておく。

Bien fiers alors d’avoir fait sonner ces vérités utiles, on est demeurés là assis, ravis, à regarder les dames du café. (p.4)

さて、憂国の名言を吐いてすっかりご機嫌になった僕たちは、腰をすえてカフェの婦人客に見とれだした。(上p.8)


Voyage Au Bout De LA Nuit (Folio S.)

Voyage Au Bout De LA Nuit (Folio S.)

夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫)

夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫)

  • 作者:セリーヌ
  • 発売日: 2003/12/01
  • メディア: 文庫
夜の果てへの旅〈下〉 (中公文庫)

夜の果てへの旅〈下〉 (中公文庫)

  • 作者:セリーヌ
  • 発売日: 2003/12/01
  • メディア: 文庫