本の覚書

本と語学のはなし

振り返る七月

 七月に読んだ本。
(1) 中国名詩選(中)/松枝茂夫編
(2) 二十四の瞳/壺井栄
(3) ニューエクスプレス イタリア語/入江たまよ
(4) 基礎から発展までよくわかる中国語文法/丸尾誠
(5) はじめての宗教論(右巻)/佐藤優
(6) ニューエクスプレス スペイン語/福蔦教隆
(7) 現代ギリシア語文法ハンドブック/福田千津子
(8) ニューエクスプレス ブラジル・ポルトガル語/香川正子
(9) ニューエクスプレス 現代ギリシア語/木戸雅子
(10) はじめての宗教論(左巻)/佐藤優
(11) スピノザ 人と思想58/工藤喜作
(12) ニューエクスプレス オランダ語/川村三喜男・佐藤弘幸
(13) 必携ドイツ文法総まとめ/中島悠爾・平尾浩三・朝倉巧
(14) テーブル式フランス語便覧/小林正

 先月ヘブライ語を始めた勢いに乗って、これからも使う言語、必要があればすぐに使える状態にしたい言語の総点検。中国語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、現代ギリシア語、ドイツ語、フランス語の入門書や文法書を通覧し、新たにオランダ語まで始めてしまった。
 来月も引き続き文法の点検を行う。イタリア語、オランダ語、ラテン語、ギリシア語(アッティカ方言及びコイネー)。九月からはスピノザ新約聖書の原典に取りかかりたい。

 ヘブライ語を始めた勢いは、語学だけでなく、キリスト教への関心にも再び火をつけた。聖書学や教会史はずっと重要なテーマとして追っていきたい。教会に戻ることはないだろうけど、カトリックのカテキズムも勉強したい。

 しかし、護教的な神学にはきっと満足できないだろう。スピノザにも学ぶ。
 スピノザの著作の一部(ごく一部)はオランダ語でしか読めない。オランダ語を勉強し始めたのはそのためである。職場には漢詩に替えてスピノザの邦訳を持って行くことにした。

 キリスト教を学ぶなら、もう一つ対抗的に読んでおきたいのが道元である。新全集の刊行が終了したことだし、もう飽きただのと言わず、いま一度じっくり取り組んでみる。

 肝心のヘブライ語は大してはかどっていない。いつから旧約聖書に取りかかれるのか、目途も立たない。ある程度知っている言語は短期集中でよいが、未知の言語はゆっくり体に馴染ませなくてはならない。他の言語の点検が終わるまでは、のらりくらりのペースが続くだろう。

 お金と信仰があれば、今からでも上智大学神学部に入ってみたい。私の語学はカトリック世界に入ってこそ一番生きるだろう。だが、私はいずれにおいても貧困であり、しかもその貧しさに恥じていない。
 十年くらい前は駒澤大学仏教学部に入りたいと思っていたこともあるから、たいして節操もないのだ。

 最終的にどのような読書生活を予定しているかというと。
(1) 旧約聖書(ヘブライ語、アラム語原典。ギリシア語、ラテン語、英語訳参照)
(2) 新約聖書(ギリシア語原典。ラテン語、英語訳参照)
(3) スピノザ(ラテン語、オランダ語原典。イタリア語訳参照)
(4) ギリシア文学(ギリシア語原典。英語訳参照)
(5) ラテン文学(ラテン語原典。英語訳参照)
(6) ドイツ文学(ドイツ語原典。森鷗外訳のあるものを優先的に選択する)
(7) 政経、世界史、日本史
(8) 漢詩(現代中国語音での音読を試みる。時々、漢文や現代中国文学)
(9) 道元、良寛
(10) 日本古典文学
(11) フランス文学(フランス語原典)
(12) 英米文学(英語原典)
(13) キリスト教(聖書学、教会史、カテキズムなど)、森鷗外、その他文学

 職場ではスピノザの邦訳と歴史書か歴史小説を読む。

 もう、何が役に立つかだの、流行は何かだのには関係なく、ただ昔からやりたかったことだけを、やりたいようにやっているという感じ。目指すところがあるわけではない。いずれどこかで何かに収斂していくだろうし、そうでなくてはならないのだけど、それについて何の予測を立てているわけでもない。今はこれでよい。