吉田加南子『フランス詩のひととき』、野村修『聞いて読むドイツの詩』。フランス詩、ドイツ詩ともに、岩波文庫の名詩選をいったん中断して、CDつきの本で音を確かめながら詩を鑑賞をすることにした。ゲーテの詩なら、学生の時、郁文堂の『ゲーテ詩集』をカセットと一緒に買い求めて、飽きるほど聞き込んだ。フランス詩の朗読は今まで全く耳にしたことがない。
ちょっと聞いてみたところ、いずれも素人が淡々と読んでるだけのような印象だった。
『イギリス名詩選』(岩波CDブック)。英詩については、名詩選の朗読CDを手に入れた。学生時代にイギリス人老教授によるロマン派の詩の講義を受けたことがあるから、荘重な読み方なら知っているけど、百篇の詩が全て同じ調子とは限らないだろう。先ずは理屈よりもリズムを体に叩き込もう。
志子田光雄『英詩理解の基礎知識』。広く浅く詩の言語と形式のことが書かれている。原詩の引用が豊富で、ほとんどアンソロジーといっていいくらい。名詩選の後に少しずつ読むことにする。
橋本進吉『古代国語の音韻に就いて 他二篇』。奈良時代には、キ、ヒ、ミなどの十二音(濁音を入れると十九音)に対して、それぞれ甲類、乙類と呼ばれる二種の音が存在し、はっきり使い分けられていた。『万葉集』や『古事記』などを読むときにも、そういう知識があるに越したことはない。
古典文法の本というと受験用のものばかりで、一般向けのものはない。上代のものとなると、高価な専門家向けのものしかない。国文学者の怠慢ではないかと思う。
古代国語の音韻に就いて―他二篇 (岩波文庫 青 151-1)
- 作者:橋本 進吉
- 発売日: 1980/06/16
- メディア: 文庫
ホメロスとウェルギリウスの原文(抜粋)を朗読するCDも注文したが、いつ届くかは不明である。
漢詩のCDつき書籍を古本で購入したら、届いた本にCDがついていなかったので、返品を申請中である。日本語、中国語、唐代復元音による朗読と吟詠が吹き込まれたCDが目玉のはずなのだけど。