小学校の国語教科書に危機感を覚えて、谷川俊太郎が作った、やさしい詩の入門書。詩ってなに? という問いには詩で答えるしかない、というのが、谷川の考えだ。わらべうた、いろはうた、ことわざ、なぞなぞ。音だけでも訴えかける力がある。アクロスティック、つみあげうた。言葉とどんどんあそんでみよう。自分で楽しみ、他人も楽しませる。これこそ詩の大本なんだといわんばかり。
最後はちょっと難しくなって、詩ってなんだろう? と正面から向き合った詩が並ぶ。でもまあ、とっつきにくくはない。
詩 又又又 堀口大学
一人の心に灯をともす
別の一人に欠伸をさせる
いや、まったくその通り。私なんかはいつでも欠伸ばかりしていて面目ない。
どうしていつも まど・みちお
太陽
月
星
そして
雨
風
虹
やまびこ
ああ 一ばん ふるいものばかりが
どうして いつも こんなに
一ばん あたらしいのだろう
日々細胞は作り替えられているのだ。いつも我々は死んでは生きるのだ。天地の創造は今この瞬間にも行われているかもしれないのだ。
- 作者:谷川 俊太郎
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: 文庫