本の覚書

本と語学のはなし

2012-07-09から1日間の記事一覧

「末摘花」開始

和歌ばかりまとめて読むのはつらいので、源氏に戻る。 かの空蝉を、もののをりをりには、ねたう思し出づ。荻の葉も、さりぬべき風の便りある時は、おどろかしたまふをりもあるべし。灯影の乱れたりしさまは、またさやうにても見まほしく思す。おほかた、なご…

『紋切型辞典』

●フローベール『紋切型辞典』(小倉孝誠訳、岩波文庫) 奇妙な意図から構想された辞典なので、先ずは解説から読み始めるのがいい。フローベール自身の手紙を引用すると、「人前でこれさえ言えばよい、それだけで礼儀をわきまえた感じのよい人間になれる、と…