本の覚書

本と語学のはなし

2013-01-01から1年間の記事一覧

新約聖書ギリシア語入門/大貫隆

新約聖書ギリシア語入門作者:大貫 隆発売日: 2004/12/21メディア: 単行本 私は以前から古典ギリシア語を知っているし、最近文法を復習したばかりだから、この本が初学者の独習に向いているのか否か判断することはできない。 かなりすっきりしていて、見やす…

振り返る九月

九月に読んだ本 (1) アッシジのフランチェスコ 人と思想184/川下勝 (2) はじめての死海写本/土岐健治 (3) ロザリオのこころ/松永久次郎 (4) 知られざる聖杯伝説/クリストファー・ナイト&ロバート・ロマス (5) 目からウロコ ゆるしの秘跡/来住英俊 (6) …

聖者の事典/エリザベス・ハラム編

聖者の事典メディア: 単行本 効能別に編集されたユニークな、あるいは不謹慎な事典。網羅的ではない。ぎりぎり通読が可能な程度になっている。著者の出身を反映して、イギリスやアイルランドの聖人がやや多い。 聖者というのは、もちろん教会の公式手続きを…

スケッチは3分/山田雅夫

スケッチは3分 (光文社新書)作者:山田 雅夫発売日: 2006/11/16メディア: 新書 三分で描くということは、要は大いに省略して描くということであり、また描くテーマを一点に絞り、描きやすいように描き、描きにくいものは描かないということである。都市工学の…

購入9-6

Novum Testamentum Graece: Nestle Aland 28th Revised Ed. of the Greek New Testament, Standard Edition作者:Institute for New Testament Research発売日: 2012/11/01メディア: ペーパーバック 『Novum Testamentum Graece: Nestle-Aland 28th Revised E…

魔女と聖女/池上俊一

魔女と聖女 ヨーロッパ中・近世の女たち (講談社現代新書)作者:池上 俊一発売日: 1992/11/17メディア: 新書 中世・近世ヨーロッパの女性論。 キリスト教的偏見の中では、一方の極にイヴを祖型とする魔女がいる。魔女狩りはカトリックによって始められ、プロ…

病院は、めんどくさい/木村憲洋

病院は、めんどくさい: 複雑なしくみの疑問に答える (光文社新書)作者:木村憲洋発売日: 2012/08/17メディア: 新書 病院のしくみを広く浅く解説。医療関係に就職したい学生が最初に手に取ったらよさそうというくらいのレベルであるけど、最近の動向なども押さ…

アシジの丘/山川紘矢・山川亜希子・北原教隆

アシジの丘: 聖フランチェスコの愛と光作者:紘矢, 山川,亜希子, 山川発売日: 1999/09/23メディア: 単行本 一九八六年十一月、聖フランチェスコの縁につながる私たち十四人は、イタリアにでかけました。聖フランチェスコの縁とは、前世でアシジに生まれ、今生…

購入9-5

アシジの丘: 聖フランチェスコの愛と光作者:紘矢, 山川,亜希子, 山川発売日: 1999/09/23メディア: 単行本 山川紘矢・山川亜希子・北原教隆『アシジの丘』。フランチェスコの活動の舞台となったアシジ(アッシジとも表記される)の写真とエッセイ。もう少し詳…

カトリック教会のカテキズム要約(コンペンディウム)/日本カトリック司教協議会常任司教委員会監訳

カトリック教会のカテキズム要約(コンペンディウム)作者:日本カトリック司教協議会 常任司教委員会発売日: 2010/01/22メディア: 単行本 その名の通り『カテキズム』の要約である。参照箇所も記されているので、『カテキズム』の索引としても使えるかもしれな…

世に棲む日日(二)/司馬遼太郎

新装版 世に棲む日日 (2) (文春文庫)作者:司馬 遼太郎発売日: 2003/03/10メディア: 文庫 前半の主人公だった吉田松陰が処刑され、後半の主人公、高杉晋作へバトンが渡された。1862年、上海で西洋文明を目の当たりにしたことで、晋作の方向は決まった。 そう…

目からウロコ ゆるしの秘跡/来住英俊

目からウロコ ゆるしの秘跡作者:来住 英俊発売日: 2003/03/15メディア: 単行本(ソフトカバー) 仮に私が教会に戻ったとしたら、一番困るのがゆるしの秘跡だろう。いったい何を告白していいのだか分からない。信心が足りないだとか、ゆるしの秘跡を受ける気…

知られざる聖杯伝説/クリストファー・ナイト&ロバート・ロマス

知られざる聖杯伝説―死海文書と聖杯の謎 (開かれた封印 古代世界の謎)作者:ナイト,クリストファー,ロマス,ロバートメディア: 単行本 大変短い本であるにもかかわらず、前半でアーサー王物語に見られる聖杯伝説を紹介し、後半で死海文書と絡めた推理を行って…

購入9-4

カトリックの信仰 (講談社学術文庫 (1131))作者:岩下 壮一メディア: 文庫 岩下壮一『カトリックの信仰』。ずいぶん古めかしい本だが、今でもこれを日本語で書かれた最善の要理解説書という人もある。第二バチカン公会議以前の雰囲気を知るのによさそうだ。 …

購入9-3

目からウロコ ゆるしの秘跡作者:来住 英俊発売日: 2003/03/15メディア: 単行本(ソフトカバー)聖母マリア (講談社選書メチエ)作者:竹下 節子発売日: 1998/08/10メディア: 単行本(ソフトカバー)フランシスカニズムの流れ―小さき兄弟会の歴史 1210~1517 (聖…

購入9-2

100%書き込み式ペン字練習帳作者:青山 浩之発売日: 2011/12/01メディア: 単行本 涼しくなって睡眠の質はよくなったはずなのだが、いつでも眠くて困る。このところ全てが停滞している。 今日こそはと散髪に行く。ついでに本屋に寄り、青山浩之『100%書き込み…

購入9-1

魔女と聖女 ヨーロッパ中・近世の女たち (講談社現代新書)作者:池上 俊一発売日: 1992/11/17メディア: 新書異端者たちのヨーロッパ (NHKブックス)作者:小田内 隆発売日: 2010/09/25メディア: 単行本(ソフトカバー) 散髪に行ったら休みだった。ブックオフで…

ロザリオのこころ/松永久次郎

ロザリオのこころ (聖母文庫)作者:松永 久次郎メディア: 文庫 ロザリオの祈り ロザリオはネックレスやブレスレットとして用いる装飾具ではなく、祈りのための道具である。珠は祈りの回数を数えるために用いる。 祈りの形式はだいたい決まっている。 導入では…

はじめての死海写本/土岐健治

はじめての死海写本 (講談社現代新書)作者:土岐 健治メディア: 新書 死海の西岸にクムランと呼ばれる地域があり、二十世紀の半ば頃、その洞窟(人工のものもある)から旧約聖書や注釈、ここを拠点としていた宗団の規則書などの写本が発見された。 クムラン宗…

アッシジのフランチェスコ 人と思想184/川下勝

アッシジのフランチェスコ (Century Books―人と思想)作者:川下 勝メディア: 単行本 フランチェスコ アッシジのフランチェスコは1182年(81 ?)に生まれ、1226年10月3日に43歳で亡くなった。道元(1200-1253)のちょっと先輩にあたる。 フランチェスコという名は…

振り返る八月

八月に読んだ本 (1) よくわかるカトリック/小高毅 (2) カトリック入門/要理編纂専門委員会編 (3) イラストで知るカトリック教会生活/サンパウロ編 (4) 神・人間及び人間の幸福に関する短論文/スピノザ (5) イタリア語文法ハンドブック/小林惺 (6) ギリ…

カトリックの信仰生活がわかる本/景山あき子ほか

カトリックの信仰生活がわかる本 作者:あき子, 景山,かおり, 皆川,隆史, 五野井,満, 白浜,コレーン,アンドレ発売日: 1999/04/10メディア: 単行本(ソフトカバー) 祈り、典礼暦、秘跡、冠婚葬祭、教会活動と信徒の心得、初期教会、日本における歴史など、カ…

修道院にみるヨーロッパの心/朝倉文市

修道院にみるヨーロッパの心 (世界史リブレット)作者:朝倉 文市発売日: 1996/04/01メディア: 単行本 最初の修道士・聖アントニオス、修道院を始めて組織したパコミオス、西欧修道院の父・聖ベネディクトゥス、大規模な発展を見せたクリュニー修道院、その後…

原典講読の再開

ようやく文法書ばかりの生活を抜け出し、原典講読の喜びを取り戻した。やるべきことが多すぎて、いずれ整理しなくてはならないのは明らかだが、今日のところは復活の記念に、読んだところから短めの引用をしておく。 ■聖書/フランシスコ会訳 これは原典では…

語学の今後

『ラテン文法』を終えて、ようやく文法書中心の生活から解放される。 暑くて体調もいまひとつで、複数のことに取りかかれないから、最近はひたすら文法ばかり学んでいた。涼しくなって、語学の総点検を大方終えて、久しぶりに湯船につかったら、身も心もさっ…

ラテン文法/サン・スルピス会諸師著・ジャック・ツルデル監修

ラテン文法作者:サン・スルピス会諸師メディア: - 教会ラテン語では母音の長短をあまり重要視しないのか、残念ながら長音記号が用いられていないのだけど、文法表が見やすいので、ちょっとした確認のために使っていた。 しかし、優れているのは表だけではな…

世に棲む日日(一)/司馬遼太郎

新装版 世に棲む日日 (1) (文春文庫)作者:司馬 遼太郎発売日: 2003/03/10メディア: 文庫 久し振りに職場で歴史小説を読んでみた。同僚に絡まれさえしなかったら、これほど職場向きの読書はない。スピノザでカモフラージュしつつ(歴史のみならず漢詩にも異常…

わかりやすいミサと聖体の本/白浜満

わかりやすいミサと聖体の本作者:白浜 満発売日: 2007/12/10メディア: 単行本(ソフトカバー) カトリックの信仰生活にとってミサはその根幹であり、ミサに与らないカトリックなんていうのはほとんど形容矛盾である。しかし、案外ミサをつまらないと思う信者…

購入8-8

The Catholic Study Bible: The New American Bible発売日: 2011/09/15メディア: ハードカバー 『The Catholic Study Bible: The New American Bible Revised Edition』。カトリックのスタディ・バイブル。ヘブライ語やギリシア語原典の解釈の助けとするのは…

ギリシア語入門/田中美知太郎・松平千秋

ギリシア語入門 改訂版 (岩波全書 137)作者:田中 美知太郎,松平 千秋発売日: 1962/05/30メディア: 単行本(ソフトカバー) 説明は実にそっけないが、必要なことは大体書いてある。アクセントや間接話法の話などは、特に参考になった。私は古川晴風の『ギリシ…