本の覚書

本と語学のはなし

イタリア語文法ハンドブック/小林惺

 ていねいに全ての例文に目を通した。内容は決して悪くない。しかし、『必携ドイツ文法総まとめ』くらいコンパクトであってもいい。特殊な工夫が必要かもしれないけれど、 『テーブル式フランス語便覧』のように、見開きで一つの文法事項を説明してくれると、私にとっては格段に使いやすくなる(白水社にはインデックス式シリーズがあるが、あれは簡単すぎる)。好みの問題ではあるけど。
 本の作りは嫌いだ。白水社語学書にこんなことを言うのはおこがましいようだが、『現代ギリシア語文法ハンドブック』のときにも感じたことなので、一応書いておく。第一に、語学書にとってB6サイズは小さすぎる。最近の活字は大きめだから、ページあたりの情報量は少なくなるし、本の嵩は必要以上に増えてゆく。第二に、同じ白水社『必携ドイツ文法総まとめ』などと比べると、どうも安っぽいし脆弱そうに見える。一度読むと、本の背がじゃっかん斜めに歪む。ハンドブックというからには、もっと薄くて丈夫で見やすいものを希望する。