本の覚書

本と語学のはなし

『経済数学入門』 〔47〕


◎佐々木宏夫『経済数学入門』(日経文庫)
 入門段階では必要性があまりないからということで線形代数は扱わず、微積分と確率に的を絞っている。
 微積分はほぼ高校数学の範囲内なので、途中から流し読み。偏微分不定積分と定積分の関係などは興味深く読んだ。
 確率はファイナンス理論でも重要なので扱ってくれるのはありがたいのだが、今読んでいる統計の入門書の方がやさしくていねいに基本を教えてくれているので、やっぱり流し読み。必要があればひっくり返してみればよい。
 数学が苦手なのに経済学を専攻してしまったという人は、基本的な高校数学の参考書をしっかり学ぶ方が近道だと思う。


 著者は数学科出身である。経済数学に関わる人には、珍しいことではないようだ。それだけ経済学部に数学のできる人材が少ないということなのだろうか。昔の同僚の中にも大学で経済を学んできた人はたくさんいたはずだけど、数学のできそうな顔をした人は見かけたことがない。


 続いてA.C.チャンの『現代経済学の数学基礎』上・下(エーピーシー出版)に挑戦する。やる前から挫折しそうな気がしている。