本の覚書

本と語学のはなし

『マルクス入門』 〔46〕


今村仁司マルクス入門』(ちくま新書
 経済危機のせいか、最近マルクス入門の出版が増えているような気がする。内田樹も専門家と組んでマルクス本を出すらしい。
 しかし、これは2005年の出版(今村は2007年5月没)。『マルクス・コレクション』を出すにあたって、ようやくマルクスについてまとめてみる気になったという。学生時代の友人F君は、当時今村の入門書でアルチュセールを勉強していたが、私はまったく興味を持たなかった。『マルクス・コレクション』が出版されるに及んで、ようやくマルクスに対して重い腰を上げかけたところだが、そのまま立ち上がったものか、もう一遍座り直そうか、未だに中途半端に腰を浮かしたままである。
 今度こそはマルクスを読もうと思う。外堀から埋めようとして本丸までたどりつかずに力尽きるという失敗のないように、直接マルクスを読むことにしたい。しかし、一個の思想家の受容史としてこれほど複雑にねじれた人もそうはいないだろうから、時々はいくつかの解釈を検討してみる必要もあるだろう。
 はたして読めるのだろうか。読めるとして、面白いのだろうか。

マルクス入門 (ちくま新書)

マルクス入門 (ちくま新書)