本の覚書

本と語学のはなし


柴田元幸『生半可版 英米小説演習』(研究社)


 退職願を提出した日に届いた本として生涯記憶されるだろう…。なんてことはなくて、きっと直ぐに忘れ去られるに違いない。辞めることに何の感動もないのだ。
 しかし、辞めたその先こそが重要である。文芸翻訳を志しているわけではないけれど、退職願を提出した日に届いたこの本は、やはり新たな生活の象徴として記憶され続けなくてはいけないのかもしれない。


 28人の作家の原文少々、そこに柴田訳と短いレポートが付されている。だから、英語と翻訳と英米文学をいっぺんに勉強したいという人にはちょうどよい。