本の覚書

本と語学のはなし

「超」入門 相対性理論/福江純

 超入門とあるが、痒いところに手の届く孫の手のようなものにはしたかったのだという。多少の数式も出てくる(手書きでちょっと見にくい)。世界一わかりやすいと宣伝しているのは嘘である。
 とはいえ、語り口はやわらかいし、難解なことは書いていないので(どうして?と思うところがないわけではない。さらりと書いてはあるが、高校物理の知識が必要でしょと言いたくなるところもある)、2冊目くらいの入門書として丁度よい。
 数式よりも直感的なもの、感性的なものの方に本質を見る人らしいので、門外漢のための啓蒙書を書くのに向いているのかもしれない。アインシュタインの肝も、数式よりも、ものの見方の根本的な転換にあったのだとすれば、相性もいいのだろう。