本の覚書

本と語学のはなし

間違いの喜劇/ウィリアム・シェイクスピア

 シェイクスピアの作品はこれで21冊読了。
 小田島雄志の全集37冊、その他の戯曲3冊、ソネット集1冊、その他の詩集1冊、合計42冊読む積もりであるから、ようやく折り返し地点に到達した。


 『間違いの喜劇』は、生き別れになった双子の兄弟、彼らと同年月日に生まれ、彼らとともに生き別れになった双子の召使いという二組の双子が引き起こす、取り違えの古典的な喜劇。
 シェイクスピア劇の中でも最も短い作品である。初演はクリスマスの余興に法学院で行われたらしい。それに相応しくただただ楽しい物語であるけれど、アイデンティティの喪失が狂気を生み出しかねない不気味さをも感じ取るべきもののようである。