64 葦辺行く鴨の羽がひに霜降りて寒き夕へは大和し思ほゆ
64 葦べを泳ぐ鴨の背に霜が降り、寒さが身にしみる夕べは、大和が思われてならない。
706年、文武天皇が難波の宮に行幸した際に、志貴皇子が詠んだ歌。「羽がひ」は羽根が交差するあたりのこと。
『万葉集』は時々開いてみるだけで、本格的に読んではいない。今年はずっと同じような状況が続くだろう。『古今和歌集』『新古今和歌集』『和漢朗詠集』にも目を通しておきたいのだけど、直ぐというわけにはいかない。しかし、古典はいずれ散文から詩歌に傾いていくだろうと予想される。