本の覚書

本と語学のはなし

『知られざる傑作』


バルザック『知られざる傑作 他五篇』(水野亮訳、岩波文庫
 バルザックの短篇は20数篇あるそうだが、その中から6つ(「沙漠の情熱」「ことづけ」「恐怖時代の一挿話」「ざくろ屋敷」「エル・ベルデゥゴ」「知られざる傑作」)が訳出されている。宮下志朗の新訳とかぶっているのは「ことづけ」だけのようだ。いずれこちらも買わなくてはならない。
 『谷間のゆり』 *1に骨を折ったせいでバルザックには苦手意識があるのだけど、愛の諸相を書き切った作家であってみれば一つの作品だけで判断するのは早すぎたと言うべきだろう。この短篇集は作家の多様性が理解できるように編集されている。入門にはちょうど良い。


 昨日書いたことについて。英米文学、フランス文学、タイム誌、読書(翻訳文学、日本古典文学、歴史等)という形になりそうだ。古文は読書枠の中で時々少量(たとえば源氏を月に1帖ずつとか)という扱いにする。またどんな変更があるかはわからないが、基本的には同じものの割合をどうするかという問題である。新しいことが入り込む余地はないだろう。

知られざる傑作―他五篇 (岩波文庫)

知られざる傑作―他五篇 (岩波文庫)