本の覚書

本と語学のはなし


 生まれて初めて被害届を提出する。
 デジカメの調子がよかったので、タイヤの写真を撮り、資料を作成して、近くの交番に行って来た。
 タイヤをパンクさせる場合、通常千枚通しを使うらしい。今回の犯人は、鋭利な刃物(もしくは専門的な工具?)を使って派手に切っている。何か心当たりはないかと訊かれる。
 私を恨んでる人って誰だろう。いるとすれば父親だろうか。しかし、彼の体力からして犯行は無理である。私ではなくて、家族の誰かが恨まれているのだろうか。あるいは、長男をめぐるトラブルが発生しているということなのだろうか。
 たぶん変質的な趣味による犯行だとは思うが、万が一何かのメッセージだとすれば、これはまだ序章に過ぎないかも知れない。まったく防犯意識のない家なので、災難に逢う時には逢ってしまうことだろう。
 しかし、そう考えてみたところで、やり残したことがあるとか、誰かのために生きなければいけないとか、そんな気持は微塵も湧かない。どうせ死ぬならやっぱり砂漠で干からびたかったと思うだけである。