本の覚書

本と語学のはなし

Schön ist die Jugend


 ヘッセ『青春は美わし』の冒頭から。翻訳は高橋健二新潮文庫)。

Sogar mein Onkel Matthäus hatte auf seine Art eine Freude daran, mich wiederzusehen. Wenn ein junger Mann ein paar Jahre lang in der Fremde gewesen ist und kommt dann eines Tages wieder und ist etwas Anständiges geworden, dann lächeln auch die vorsichtigsten Verwandten unt schütteln ihm erfreut die Hand. (p.7)

 マーテウスおじでさえ、彼なりに、私に再会することを喜んでくれた。青年が数年異郷にいて、それからある日、一応相当なものになって帰ってきたとすると、どんなに慎重な親類でも微笑を浮かべ、喜んで握手するものである。(8頁)


 読み始めた記念に引用してみただけでどうということはないのだが、あえて翻訳の肝を挙げれば、etwas Anständigesを「一応相当なもの」と訳して、etwasに一定の留保を認めている点であろう。


 時々発作のように英仏以外の言語も学びたくなる。羅希独は順番に回しながら、ちびちび読んでみようとまたぞろ思う。アウグスティヌスとヘッセはほとんど負担にならないだろう。ソポクレスもコーラスを除けば頭を抱えるほどではないだろう。行けるところまで行ってみることにした。