本の覚書

本と語学のはなし

興亡の世界史 地中海世界とローマ帝国/木村凌二

 ローマの歴史は長いから、350ページほどの通史では深いところまで味わうわけにいかないけれど、入門としてはとてもいいのではないだろうか。
 先月、同じ講談社学術文庫の『古代ギリシアの歴史』(伊藤貞夫)を読んだとき、ポリスの歴史なのでアレクサンドロス大王のことにほとんど触れられていないと書いた。
 ところが、こちらのローマ史の方で大王の東方遠征の記述に出会った。ローマと比較するために、アッシリア、アケメネス朝ペルシア、そしてアレクサンドロス大王についても書いてくれているのである。
 できればこの後は、ギリシア人、ローマ人が書いた歴史を読んでいきたい。