本の覚書

本と語学のはなし

Newton 2023年3月号【ニュートン500号大全史】

 1981年7月に創刊して(その前に準備号として0号がある。非売品。創刊号から定期購読をした会員に無料で配布されたものである)、21年半になる。今号で500号。
 実を言えば、子どもの頃に少しだけ読んだことがある。しかし、私には難しすぎた。記憶にあるのは、金星に硫酸の雨が降るということだけである(1983年1月号の記事だろうか)。すぐに止めてしまった。科学に目覚めるせっかくの機会を失ってしまったのだった。文法に拘泥する青春時代を送るよりは、小さな小さな素粒子に躓く方が、私のためにも他人のためにもどれほど意味のあることであったかしれない。
 今から科学を学んだところで、今更誰の役に立つわけではないけれど、ホメロスウェルギリウスモンテーニュシェイクスピアゲーテと聖書を全部足しても、それだけではやはり足りないと思うのである。
 今読むと、ニュートンはじゃっかん物足りない。しかし、科学の最新の流れに楽しくキャッチアップしてゆくためには、よい雑誌である。新生活の中で5年の定期購読が負担に思われることもあるかもしれないが、継続すれば大きなベースとなるに違いない。