本の覚書

本と語学のはなし

シェイクスピア全集2 喜劇Ⅱ/シェイクスピア

 『空騒ぎ』(小野協一)、『お気に召すまま』(阿部知二)、『十二夜』(小津次郎)、『ウィンザーの陽気な女房たち』(三神勲・西川正身)、『終わりよければすべてよし』(工藤昭雄)の5作品を収録。
 シェイクスピアの代表的な喜劇たちである。
 しかし、『終わりよければすべてよし』はちょっと毛色が違う。問題劇とされているだけあって、終わりよければすべてよしという訳にはいかない後味が残る。
 小津次郎の解説には「皮肉な題名と共に、全篇を覆う冷笑的な雰囲気は、この時期のシェイクスピアが抱いていたかに見える性への嫌悪感と、それにつながる愛への疑惑に、われわれの関心を向けさせるのである」とある。