本の覚書

本と語学のはなし

ヴェニスの商人/ウィリアム・シェイクスピア

 わずかながら畑の苗床の葉ネギも発芽している。
 もう少ししたら、試しに春ダイコンの種を一条撒いてみようかと考えている。


 『ヴェニスの商人』については、なかなか語るのが難しい。冷酷な悪人として描かれるユダヤ人と、形勢逆転するや彼を改宗までさせる「高潔な」キリスト教徒たち。

シャイロック 罪を犯さずにお裁きをおそれることがありましょうか?
あなたがたはおおぜいの奴隷を買いとっておいでだ、
そして牛馬同様、卑しい仕事にこき使ってらっしゃる、
それと言うのも、金を出してお買いになったからだ。
ところでもし私がこう申し上げたらいかがでしょう、
やつらを自由にし、跡とり娘のお婿さんになさっては?
汗水流しての重労働はかわいそうじゃありませんか?
ベッドはあなたがたのと同じ柔らかなものにし、食事も
同じごちそうを食べさせては? きっとあなたがたは、
「奴隷はおれのものだ」とお答えになるでしょう、
私の答えも同じです、私の要求する一ポンドの肉は
高い金で買った私のもの、だからちょうだいするのだ。
ならぬと仰せになるなら、法律も糞もないことになる!
ヴェニスは闇だ。ぜひともお裁きをお願いします、
さあ、お答えを、お答えを聞かせていただきましょう。(4幕1場)