- 作者:ウィリアム・シェイクスピア
- 発売日: 1983/10/01
- メディア: 新書
おお、ロミオ、ロミオ! どうしてあなたはロミオ?
お父様と縁を切り、ロミオという名をおすてになって。
それがだめなら、私を愛すると誓言して、
そうすれば私もキャピュレットの名をすてます。(第2幕第2場)
O Romeo, Romeo! wherefore art thou Romeo?
Deny thy father and refuse thy name;
Or, if thou wilt not, be but sworn my love,
And I'll no longer be a Capulet. (2.2)
対立するモンタギュー家とキャピュレット家、その子息と令嬢が図らずも恋に落ち、死に至る、あまりによく知られた悲劇。
引用したのは、その中でも特に有名なジュリエットのバルコニーでのセリフ。この時ロミオはまだ物陰に隠れている。ジュリエットの独白である。
改めて読んでみると、レオナルド・ディカプリオ主演の『ロミオ&ジュリエット』はかなり原作に忠実であるのだと分かった。
それだけに、もっとも大きく改変したラストシーンにこそ、舞台設定が奇妙に現代的であることに惑わされず、目を向けるべきなのだろう。