本の覚書

本と語学のはなし

アテネのタイモン/ウィリアム・シェイクスピア

 先ずは『尺には尺を』のところで書いたエルボーの洒落について一言。
 エルボーを辞書で調べると、この言葉自体に警察の意味があるという。だが、「米俗」と書き添えているものもあり、シェイクスピアの時代のイギリスでもその意味で通用したのかは分からない。肘という言葉の持つ自然の喚起力から警察を意味するようになったとしても不思議はないが、むしろシェイクスピアのこの作品からエルボーといえばすなわち警察であると考えられるようになったのかもしれない。
 シェイクスピアのレキシコンを注文してあるので、届いたら調べることにしよう。一緒に頼んだ本とまとめて送られてくることになっているが、そちらの入荷が遅延しいるので、いつになるのか全く分からないのではあるが。


 『アテネのタイモン』はいろいろほつれがあって、未完の作品とも考えられているようだが、私はこのままで十分楽しめる。気前のよすぎた男の没落で、最後はほとんど救いようもないのだけれど。
 ギリシア人の名前が英語読みになるとなんだか訳が分からなくなるのはいつもの通り。アルシバイアディーズはアルキビアデースのことであろう。