- 作者:ウィリアム・シェイクスピア
- 発売日: 1983/10/01
- メディア: 新書
ボッカチオの『デカメロン』を下敷きにしているようだが(元を辿れば、創世記にあるユダとタマルの挿話に行き着くように思える)、材源に比してシェイクスピアの描くロシリオン伯爵は、どうにも本性卑劣なところがあって、とてもヘレナの愛の対象として相応しいようには思えない。
彼女の真の目的が地位と財産だけであったのなら話は別であるが、果たして本当に「終わりよければすべてよし」と言えるのかどうか? やはりこれも問題劇なのだろう。