本の覚書

本と語学のはなし

はじめての野菜づくり/藤田智

 同じタイトルの本を三冊買った。しかし、タイトルは同じでも中身は三者三様である。違いが顕著に現れるのは、土作りと肥料や農薬に対するスタンスである。
 NHKの番組にも出演している藤田智は、最も有機農業から遠い位置にいる。どの作物の場合でも、先ず石灰を撒いて土を耕し、その後堆肥と化成肥料を施してまた耕し、畝を作って種を蒔いたり苗を植えたりする。害虫が出たら、農薬を使ってもよい。とても簡単そうに見える。
 しかし、これから読む福田俊などは、化学肥料も農薬も使わず、土をほとんど耕すことすらしない(まったくしないわけではない)。家庭菜園くらいの規模であれば、それほど手間が掛かりはしないのだと言う。それが本当なら(そんなことはないような気もするが)、有機農業(一口に有機農業と言っても、いろいろなタイプのものがあるけど)に挑戦してみてもいいかなとは思う。


 家庭菜園の土地は残されたものの、道具も肥料も何もない。最低限のものを購入し、初心者にも作りやすいものから始めて、様子を探るしかない。