本の覚書

本と語学のはなし

史料による日本キリスト教史/鵜沼裕子

史料による日本キリスト教史

史料による日本キリスト教史

 非常に簡単な歴史。プラス原典史料。本文があまりに簡素なので、史料の分量の方が多いくらいである。
 授業で使うことを前提としているのだろうか、史料には注釈も現代語訳も付いていないし、難読漢字にほとんど振り仮名も付いていないので、読みにくい。
 カトリックや正教の記述はごくわずかである。私が日本キリスト教史の中で一番関心を持っているのはキリシタン時代であるけれど、これを学ぶには他の本を探さなくてはならない。
 日本キリスト教史全体の本が読みたいとしても、一冊目の本として敢えてこれを選ぶよりは、初めからもう少し詳しいものを手にした方がいいように思う。