ヴルガータ訳を参照しないとラテン語に触れる機会が全くない。そこでアウグスティヌスの『告白』を以前中断したところから再開してみた。
語学的に難しいということはないのだが、ややこしい問題を扱うこともあるので、少し混乱したりする。老衰を言い訳にして近年随分と脳髄を甘やかし続けてきたせいだ。今でさえ時間が足りなくて困っているのに、果たして続くかどうか。
tu autem idem ipse es, et omnia crastina atque ultra omniaque hesterna et retro hodie facies, hodie fecisti. quid ad me, si quis non intellegat ? gaudeat et ipse dicens : quid est hoc ? gaudeat etiam sic, et amet non inveniendo invenire, potius quam inveniendo non invenire te. (1.6)
しかし、「あなた自身は同一であられて」、すべての明日のこととそれより後のことを今日すでになされるであろう。そしてすべての昨日のこととそれより前のことを、今日なされたのである。このことを悟らないひとがあっても、わたしに何のかかわりがあろうか。このようなひとも喜んで、「これは何であるか」と言うべきである。そして何であるかを知らなくても喜んで、あなたを見出してあなたを見出さないよりも、あなたを見出さずにあなたを見出すことをむしろ欲すべきである。(上p.17-18)
翻訳(岩波文庫の服部英次訳)の冗長さと見比べると、アウグスティヌスの言語がどういうものであるか大体見当がつくのではないだろうか。
最後の文はほとんど意味不明であるけど、ロエーブ叢書の英訳では動名詞と不定詞の目的語は別であると解釈している。こちらの方がすっきりするが、それがアウグスティヌスの意図であったかどうかは分からない。
But thou art the same still ; and all to-morrows and so forward, and all yesterdays and so backward, thou shalt make present in this day of thine : yea, and hast made present. What concerns it me, if any understand not this? Let him rejoice notwithstanding and say: What is this? Let him also rejoice, and rather love to find in not finding it out, than by finding it, not to find thee with it.
Confessions, Volume I: Books 1-8 (Loeb Classical Library)
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- 作者:アウグスティヌス
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アウグス ティヌス 告白 (下) (岩波文庫 青 805-2)
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ロエーブ叢書は訳者もかわって新しいのが出るようだ。
むかし中公バックスに入っていた山田晶の訳が、今は中公文庫で買える。ただ3巻で3000円くらいするので、もう少し奮発して教文館のキリスト教古典叢書に入っている宮谷宣史訳を買ってもいいのかもしれない。