本の覚書

本と語学のはなし

澪標

 文法の点検はペースを落とし、その他のことは旧に復さしめることにして、日本古典文学は『源氏物語』の三巻を始めた。
 新約聖書スピノザの原典に取り組むのは、早くても来月下旬になりそうだ。

 本を読み始めたと書くときには、冒頭かその付近の文章を書き抜くのが常だが、その気も起らないので、代わりに『正法眼蔵随聞記』から引用を。

 、すなはち仏行ぶつぎょうなり。すなわち不為ふい也。これすなわち、自己の正躰しょうたい也。此外このほか、別に仏法の可求もとむべきなり。(三)


 坐禅は、すなわち仏の行ないである。坐禅は、すなわち人間的な作為をしないことなのである。これが、すなわち自己の正体である。このほか、べつに仏の教えとして求めるものはないのだ。